……あ、起きた?
おはよう。
ちょっとちょっと!暴れないで…。
落ち着いて聞いて…。
ここは病院。貴方は記憶を無くしてるの。
大丈夫だから……。
不安になるのもわかる。怖くなるのもわかる。
だから今は、私のことを信じて欲しい。
………ありがとう。
私たちって付き合ってるの。
驚くよね。ふふ。私もびっくりしたわ。
………え?
…ああ……
…………私も…なの。記憶が無いの。
ー目が覚めるとー
当たり前ってなんだろう。
「普通と変わっていない事」…だって。
それじゃあ普通ってなんだろう。
「どこにでもあって珍しくない物」……か。
それじゃあ私は普通でも当たり前でもないんだ。
だって人間だから。
そもそも、人間にとっての当たり前を聞いても
誰も正解を言えない。そんなものはないから。
誰にでも当てはまる共通点なんて
人間ってことだけでしょ。
身体の大きさ、体重、構造も違う。
有る人、無い人、多い人、少ない人。それぞれ違う。
だから、無理に周りに合わせる必要なんてない。
自分だけの普通、当たり前を作ればいい。
それに文句を言う立場の人はいないんだから。
ー私の当たり前ー
街の明かりは
私にとってのスポットライト。
ポツポツと光る明かりの下を
ステップを踏みながら軽やかに踊るの。
観客は誰もいない。
私だけの私の為のダンス。
その瞬間だけは、本当の私でいられるの。
失敗しても大丈夫。
また新しく踏み直せばいい。
恥ずかしくても大丈夫。
どんな事をしても、今だけは私が主役なんだから。
ー街の明かりー
一年に一度。
私と彼が会える日。
カササギの橋を歩いて、天の川を渡るの。
カササギは死んだ者たちの亡霊。
みーんな、私たちのために死んだ。
私たちの再会の為だけに
カササギになって橋を作ってくれる。
それが本当に嬉しくて、楽しくて。
いつも渡る時は、
カササギの頭を踏むの。
私の為にありがとうって想いを込めてね…。
(めちゃ捏造です。織姫はもっと優しいはず…)
ー七夕ー
あの時、めっちゃ怖かったよ〜。
ほら!あの時だって!
確か…あの日は雨が降ってたな。
けど室内だったから濡れる心配は無かったなw
俺は白い部屋に居たけど…お前は?
なんであんな服着てたんだよ。
全身黒いし…あんな服はお前には似合わない。
んで、なんかめっちゃ眠たくなる話聞かされた。
木琴…?みたいな音も聞こえてたな。
なんだったんだ、あれ。
そうそう。怖かったのはこの後だよ。
台に乗せられたかと思えば、めっちゃ熱くなって…
めっちゃめっっっちゃ熱くて、
俺の身体、骨だけになったんだぜ?
それみてお前、泣いてんのw 面白かったよ………。
ー友達の思い出ー