ずっと好きでした。
本当に、幼稚園生の時から好きでした。
なぜ好きになったかなんて覚えていないけれど、好きでした。
あなたの笑顔が、好きでした。
「実はね........」と自分のナイショ話をしてくれた事が好きでした。
公園で皆で遊んでいた時「これ羽織ってていいよ!」 と上着を貸してくれた行動が好きでした。
授業中に目が合うと笑う顔が好きでした。
もう好きという感情はないけれど、この好きだったという事実だけは、永遠(とわ)に忘れない。
幼稚園から小学5年生頃まで一緒だったハーフの男の子がいた。
とても目の色が綺麗で、笑う顔が可愛いけれど少し大人びている印象だった。
ある日何がきっかけだったかは忘れてしまったが、その男の子と喧嘩みたいなものをしてしまった。
席が隣だったが私は斜めを向いて男の子側を見ないようにしていた。
授業が始まりノートを取っていると、机に小さく折られた紙が飛んできた。
読んでみると「さっきはごめんね」と書かれていて、男の子の方を見ると口パクで「ごめんね」と言っていた。
その時の目がとても綺麗で、でもしょぼんとしている顔が可愛くて私も口パクで「私もごめん」と言った。
もうずっと昔の事で懐かしく思うけれど、今も尚あの男の子と瞳だけは直ぐに思い出せる。
本気で人を好きになったことが1度だけある。
小学六年生の時だ。
その子はやんちゃな子で、先生によく怒られていたが友達もいてちゃんとやる時はやる子だった。
何がきっかけはか忘れてしまったが、その子が好きになった。
はじめてちゃんとバレンタインにチョコレートをあげた。
あげたと言っても相手の家の玄関に紙袋を手紙付きで置いてきただけだ。
それでも翌日からお互いなんか恥ずかしくて目も合わせられなくなった。
ホワイトデー、何も無く帰りの会が行われていた。
何も無く終わるんだ、と思い皆で席を立ち「先生さよーなら!」の声を発した瞬間に「はい、お返し」とその子から袋を貰った。
ありがとうと言うとその子はすぐ教室を出てしまった。
またそこから卒業式までその子と会話はなかった。
多分もう会えないけれど、その子からホワイトデーに貰ったシャーペンは今も持っている。
もう一つの物語があるとすれば、あの子とまた話がしたい。 シャーペンありがとうって。
寝る前に本を読んでいてページをめくる手が止まらない時ってあるよね。
今もそうだけれど、昔は今以上に本が好きで、漫画でも小説でも手が止まらなかった。
そんな中「もう遅いから寝なさい」と部屋の電気を消されてしまうなんて事がしょっちゅうだった。
でも、どうしても後2ページだけでも読みたい!と布団をかぶりこっそり携帯のライトや懐中電灯を点ける。
あのバレては怒られる、でも読みたい!の心は子供ならではだと思う。
暗がりの中で何かをする、昔はこっそり何かをすることが多かったからドキドキが凄かったな。
愛を伝える言葉って沢山あると思うの。
「愛してる」「好き」「大好き」「大切だよ」
数え切れないほどの愛の伝え方がある。
その中でもこれって特大なのでは? と思う愛の言葉がある。
「行ってきます」「行ってらっしゃい」
「ただいま」「おかえりなさい」
これだと思う。
ただの挨拶とか、家を出る際に言うだけの言葉だと私も思っていた。
でもよく考えてみたら相手を大切に思ってるから言うことでは無いのか? 無事に帰ったのよ! という報告ではないのか? と思った。
子供の頃から礼儀として教えられるが、特大の愛情が言いやすい言葉になっただけだと私は思う。
誰にでも言える愛言葉。