みゃーと鳴く声に耳を傾けると路地裏で子猫が数匹固まっていた。
とても可愛かった、でも触ってはいけないとおばあちゃんが言っていた。
触ると人間の匂いが着くからお母さん猫がお世話をしなくなると。
触りたい欲を我慢してじっと眺める。
小さい手足を動かしお母さん猫を探している様子は、嫌なことを全部忘れるほど癒された。
しばらくしてお母さん猫が帰ってきて私を見ると警戒してか子猫にも近づかなかった。
悪いと思いスグ距離を取りコソッと覗くとお母さん猫は子猫達を毛ずくろいしてからご飯をあげていた。
17時を知らせる鐘がなり、暗くなってきたので帰ることにした。
また明日も会えますように。
小さい時の記憶って歳を追うごとに薄れていくよね。
思い出しても、その記憶が合っているのかそれとも美化されているのか.......。
そんな中で君との会話を思い出した。
「絶対星型のピアス開けるんだ!」
「だから学校離れても化粧で顔が変わっても星型のピアスで見つけて話しかけてね!また会いましょ!」
そう言って卒業した僕たち。
星型の何かを見るたびふと思い出す君の言葉。
また会いましょう、その言葉だけで君を探すなんてね。
そんなことを思って信号が青になったから一歩進んだ。
その時面影のある横顔に星型のピアスをしている子が横を通った。
「ねぇ!!星型のピアスの子!」
そう言うとその子は止まって振り返り僕の顔を見て笑った。
脳裏に焼き付いていることは一つだけ。
あの子の笑顔だけ。
何故私の目の前から消えたのか。
こんなに好きだと伝えていたのに、大切だと言っていたのに、愛していると言ったのに.......。
私ほど好きと伝えている人なんてそうそう居ないのに、何故居なくなった?
何をしているか、誰と会っているか、どこにいるか、何時に帰るのか、普通のことを聞いてただけなのに。
でも大丈夫。
私が貴方しかいないように、あなたも私しかいないって分かってるもんね?
絶対に私を忘れないもんね?未来も来世も脳裏さえも、私という存在を刻んでやる。
ずっと一緒だよ、好きだもんね? そうだよね?当たりえだよね?ねえ?ねえ?ねえ??!!!
他人と自分を比べることってありますよね。
あの子は愛嬌がある、笑顔が素敵、頭の回転が早い、人付き合いが上手........あげればキリがないくらいに。
誰か一人と比べてしまうこともあるけれど、あの子はここが、あの子はここが........と一人一人にいいなぁと思うところが目に付いてしまう。
比べてもいいことは無い、比べるんじゃなくて「いいなぁ」と思ったところを真似していけばいい。
そう思っても行動に移すのは大変。
そんな中でも私のここが素敵だよ! と伝えてくれる友達も沢山いる。
あなたとわたし、比べるんじゃなくてお互い素敵な所は真似していきたいね。
笑ってもそれが自分の顔出と思えない。
友達や女優さんの笑顔を真似しても可愛くなれない。
笑顔なんて、可愛い人がさらに可愛くなるものだと思っていた。
遊園地に行った日、皆で写真を撮りあった。
夜に写真を見返してとても笑っている自分の写真を見た。
可愛くなかった、その一言に尽きた。
それでも次の日、友達と話していたらその笑顔の写真が本当に可愛い、私のピンの写真で1番いいと言ってくれた。
目の前に鏡を置き、鏡の中の自分が同じように笑っても可愛いとは思えなかった。
それでも、友達は可愛いと言ってくれたその笑顔を忘れないようにしようと思った。