本気で人を好きになったことが1度だけある。
小学六年生の時だ。
その子はやんちゃな子で、先生によく怒られていたが友達もいてちゃんとやる時はやる子だった。
何がきっかけはか忘れてしまったが、その子が好きになった。
はじめてちゃんとバレンタインにチョコレートをあげた。
あげたと言っても相手の家の玄関に紙袋を手紙付きで置いてきただけだ。
それでも翌日からお互いなんか恥ずかしくて目も合わせられなくなった。
ホワイトデー、何も無く帰りの会が行われていた。
何も無く終わるんだ、と思い皆で席を立ち「先生さよーなら!」の声を発した瞬間に「はい、お返し」とその子から袋を貰った。
ありがとうと言うとその子はすぐ教室を出てしまった。
またそこから卒業式までその子と会話はなかった。
多分もう会えないけれど、その子からホワイトデーに貰ったシャーペンは今も持っている。
もう一つの物語があるとすれば、あの子とまた話がしたい。 シャーペンありがとうって。
10/30/2024, 7:42:19 AM