雫
⚠︎︎重たい話です。
いつの日か、僕は感情がなくなった。
家族は誰1人泣かなかった。
父も、母も、兄も。
みんな、僕を毛嫌いしていた。
逆に嘲笑っていた。
僕なんかの居場所は無い、と。
僕は何とも思わなかった。
僕は家族にとって邪魔であり、使える道具だった。
だが、唯一弟は、僕を兄として見てくれていた。
「なんで、僕を産んだの?」
と聞くと、母は黙った。
「なんで、僕は産まれてきたの?」
父に尋ねると、僕を睨んだ。
「なんで、僕を嫌うの?」
兄に聞くと、兄は僕の胃をめがけてを思い切り殴った。
胃液が逆流し、酸っぱいものが込み上げてきた。
「ねぇ、なんで君は愛されてるの?」
弟に聞くと、弟は僕をそっと抱きしめた。
「痛いの痛いの飛んでいけ〜」
まだ3歳になったばかりの弟は何も知らなかった。
僕は自然と涙が溢れた。
僕は自分が愛されていない理由がようやく分かった。
僕は、母親の姉と、今の父の間にできた子供だった。
父は不倫したのだ。
そんな僕は、本当に場違いな存在だった。
僕はその日、自分の部屋で首を吊って死んだ。
「おにいちゃん、何してるのー?
……おにいちゃん?泣いてるの?」
最後に弟の呼ぶ声が聞こえてきた。
何もいらない
君さえいれば
何もいらないはずだったのになぁ
あんなに輝いていたあの子は今や廃人。
あんなに虐げられていたあの人は世界で活躍している。
人って本当にどうなるか分からない生き物だ。
けれども、それでも、なぜ、あの子を失わければならなかったのだ。
本当に、私は、君さえいれば何もいらなかった。
だが今や、地球は君を置いて回っている。
みな、あの子のことを忘れ、私の中でも薄く消えていっている。
じゃあね。
と言ったきり帰ってこなかったキミへ
世界は、本当に美しく、果てしない。
けれども、君がいなければ、太陽のない太陽系と同じだよ。
どれだけ美しくても、儚くても、
未完成のままで終わる。
そんなキミに恋した僕は空っぽだ。
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この作品で何を伝えたいのかが分からないのは私もです。
無色の世界
肌寒い冬の朝ふと外を見る世界。
そこには真っ白な冷たい羽毛が覆っている。
しばらく、その下に眠っているもの達は目を覚ますことはないだろう。
目の前にある色鮮やかな色を見失い、自我すらも見失い、心が無彩色に彩られる。
私は今、なんのために生きているのだろう。
そんなことを考え、一日が終わるのを待っている。
幸せになるため。
と、言うが、幸せとは一体何なのだろう。
愛する者を笑顔にするため。
あぁ、もう泣かせてしまった。
そして、失ってしまった。
もう、帰ってくることの無いあのヒト。
あの人を失い、私の心は、世界は……本当に、無色だ。
私の冷たい心に誰か、火を灯してください。
私はもう、自分から動くのは無理そうです。
自分勝手な神様へ
なぜニンゲンなんて身勝手な生き物を作ったのですか?
ニンゲンはこの星を滅茶苦茶にした挙句、隣の星まで滅茶苦茶にしようとしてるではありませんか。
滅茶苦茶にされたこの星に残された種はもう限りなく少ないです。
この姿が、あなた様が望んだ星の姿なのですか?
温暖化が進み、あんなにもあった母である水が蒸発し、
ワタシたちを優しく包み込んでいた緑を破壊され、ほとんどむき出し。
その上、海が無くなったことで、大気が無くなったことで、ワタシ達の星はどんな星より綺麗だったはずだと言うのに、どんな星よりもみすぼらしい姿に変わったではありませんか。
そして、赤ん坊の頃から武器を持ち、家族や同族を殺す。
早くしなければ、あのニンゲンたちは更に加速し、そのうち自滅してしまいますよ。
あなた様がそういう風にしたのですよ。
あなた様があの人たちの脳を大きくし、言語を作り、芸術を作り………あのニンゲンたちの存在はこちら側まで迫ってきています。
あなた様は本当にいいのですか?
あなた様が大好きだったあのニンゲン。
忘れたとは言わせませんよ。
同じことはもう、言いません。
もう一度、やり直しませんか?
全て消して、全て無かったことにして。
そして、今度こそはこの星を守りましょう。
あの方が大好きだったこの、地球……“水の惑星”を生き返らせてみましょう。
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この地球上の歴史は、文明は1度崩壊した。という説を思い出して殴り書きしました。