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9/10/2024, 12:23:34 PM

【喪失感】

⚠ネタバレ注意  進撃の巨人
視点:リヴァイ・アッカーマン

壁外調査に行くたびに仲間が減る。
こちらの事情もあり、死人を行方不明者として処理するくらい朝飯前だ。
だが、それほど親しくなくとも知人が死ねば悲しくなる

思い出しては度々
あいつらの家族はどんな人だったか。
帰りを今も待っているのか。
どんな気持ちで我が子を手放し戦場へ行かせたのか……
こんなことを考えることがある。

「リヴァイ兵士長!娘が世話になってます!
ペトラの父です!娘に見つかる前に話したいことが――――」

耳が痛くなるほど聞いたか。
名前や内容は違ったが…
どんな面して聞けと言っている。

そんなことはもう慣れたものだった……



「それで、巨人の生態を探っていると次の発見が――」

「おい、クソメガネ。もうモブリットと俺以外聞いてねぇ…。おまけに内容も先が見えねぇ」

「あぁ、そうだねごめん。まとめるよ。とりあえずここから言えることは巨人の―――」

毎月のように行われるこの巨人の実態調査の報告会は地獄と化す。
耐えられるものがなかなかいないもんだから、毎度真新しい顔がある。

5年も付き合えばこの長話も慣れたもんだが、
新兵上がりの中等は椅子に座っているのもままならないだろう
揃いも揃って死人の顔をしていやがる


こんな18時間以上も話すような異常な面を持ったやつがいたりするが、5年の信頼感は高い。

一番死に急いでいる気がするが
お前はまだだと言わんばかりに
毎度いきて返ってくる。

そんなやつでも、どうしてかもういなくなってしまうらしい

「今、最高にかっこつけたい気分なんだよ
………このまま行かせてくれ」


なんと声をかけるべきだったのか、
分からなかった

「心臓を……捧げよ」

「………

ハハッ、君が言ってるの初めて聞いたよ」

目の前でいなくなるやつにかける声なんて、
用意したくない
エルヴィンには申し訳ねぇことをしちまった

そして、これがこいつの顔を見る最期なのか

どこか寂しく思うのは

あの長話がもう聞けないからだろうか


追記作品【楽しみ】

こんな世界に生まれても、
人間は楽しむことをやめることはできなかった――――――

「ほら行くぞー!!!オ゙ラっ!!」

ぼふっ!!
白い雪玉が誰かの顔面に当たる

「あたり~!次鬼はエルヴィンねー!!」ヒャフーーーー!

ハンジの軽快な声が響く

「全く、こんなことをしていて良いのか。エルヴィン」
リヴァイが眉を潜めながら話す

「今、我々はこれしかできない状況にある。
時が経つまで待とう」

エルヴィン・スミス
目も眉も鼻も口も、雪に埋もれて全く何も見えないが
何処か強い声を響かせながら一人佇んでいた。

「おい…あれはどうなってんだ……
エルヴィン団長の顔面が真っ白に…」

「ジャン、隣にいるリヴァイ兵士長の方がもっとやべぇぞ…」

2人で話していると真後ろからハンジの声がした

「二人とも何棒立ちになってるだい、
このままじゃやられ――――」

言葉が終わる前に、ジャンとコニーは雪だるまになっていた。

「リヴァイ…、いつ鬼になったんだい…」

「あぁ?お前らがそこでのんびり会話してる間だ」

「いや、私さっきエルヴィンを鬼にしたよね?つい数十秒前」

「エルヴィンはそこで紅茶をすすって進まねぇから俺が鬼になった」

「で、次の鬼がコニーとジャン…?」

もはや雪景色に同化している2人が攻撃する様子はない

「こいつらが動かなきゃまた俺が鬼になる」

そう話すリヴァイの手には雪には見えない白い物体が握られていた。

9/6/2024, 3:19:45 PM

【時を告げる】

⚠ネタバレ注意 進撃の巨人
視点:ハンジ・ゾエ

我々調査兵団は、最前線で戦っている。
勿論隣にいる人が、明日もいるなんて保証はない…

常に生死と隣合わせだが
それでも支え合いながらここまで来た

気づけばいつも隣にいたかもしれない人
背中を任せられる、本音を言える頼れる人。

少しだが気を許していた。
きっと死なないだろうって

激しい光が時を告げる

「ハンジさんっ!!」
聞き慣れた声と共に誰かが後ろから背中を押し飛ばした。
体勢を崩しながらも
押したその人の顔を見る。

あぁ…………もしかすると

その瞬間は一瞬にして訪れた。


私は井戸に落ち、少し収まったタイミングでそこからでた。
目の当たりにした情景に頭がついてこない


わかっているだろ
誰にだっていつかは別れる日が来るって

9/3/2024, 12:29:44 PM

【些細なことでも】

私は元々活発的と言われる子だった。
ちょっと危ないけど知らない人にも声をかけて楽しく話す

笑顔が似合うという子供だった。


でも、私が8歳になったとき難病を抱えてしまった。

外出するのは避けなさい

はしゃいだりしてはいけません

家の中で走るなんてことは―――

毎朝起きて窓の外を見る。
友達がお外で鬼ごっこをしてる。
羨ましくなるけど、これが楽しみ。

でも、どうやらお外の子達は私が羨ましいみたい。

学校に行かなくていいなんていいな。
宿題しなくていいなんていいな。

そんなに私が羨ましいのかな。
自分の体なのにまるで自分の体じゃない
それ程自分でコントロール出来ない
そんな私が羨ましいのかな。

お外の友達は機会がある。
挑戦できる機会がある。
一人で立つ力がある。

だけど私には機会がない。
挑戦できる機会がない。
一人で立つ力さえない。

毎日自分とにらめっこ。
いつ終わるのかなこんな毎日

些細なことでも笑える、
そんな日常があるだけ幸せ。

9/2/2024, 3:52:23 PM


【心の灯火】

正直今なんで自分が生きているかがわかる人なんていないと思う。
もっと言えばなんで自分が生まれてきたのか。

これについて話すと、

人生歩みながら生きる意味、生まれた意味を見つけるんだよ。
という人や

生まれた意味、生きる意味なんてそもそも無い。
なんていう人もいる。

前者は共感したいと思うけれど、後者はできれば共感したくない。

だってそんな人生つまらないじゃない。
そんな人生送っててどうして生きようと思えるのかわからない。

ただ単に死にたくないだけな気がするんだよね。

自分をこの世から消したくない、忘れられたくない。
ただそれだけの虚しい感じ。

だから前者であってほしいと願いつつ
今も人生迷走しながら、精一杯生きてます。

生きる意味、私が生まれてきた意味それが明確にわかったときには
それが私の心の支えになり、暗闇を照らす灯火になって欲しいなと願いながら。

9/2/2024, 2:44:53 AM

【開けないLINE】

スマホから音がなる。
LINEだ。

ベッドに横にした身体を起こそうとするが上手く動かせない。

すると鳴ったスマホを誰かが取る。

もしもしー。はい。
あ〜そうなんですね。いや〜それは困りますね笑

次の瞬間には会話が聞こえてきた。
相手は誰だろう。会社の同僚だろうか。
それとも取引先だろうか。
話しかけようと思っても声が出ない。

興味の赴くままにスマホの方へ行こうと
私を囲む柵に手を伸ばす。

それに気づいた様に電話を終わらせてこちらへ来る。

抜け出されたら困るんだけどな〜。
なぁ、そろそろ時期だし柵なくすか?

男が誰かに向かって話しかける。
その男の名前はわからない…
ここがどこかもわからない…

又スマホからLINEの音がした。
でも私は開くことができない。
なぜなら私はまだ小さな赤ん坊だからだ。

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