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7/23/2025, 11:17:32 AM

今日のお題、ピンと来なかったので
別のタイトルで書きました。


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【小さな幸せを束ねて】


何者かになりたかった。
臆することなく、歳を重ねたかった。
年齢に見合った幸せが欲しかった。

ショーウィンドウの反射に、疲れた顔の私が映る。
日々いろんなことを感じては、笑って泣いて、
その度に、小さな皺を刻んでいる。

心ここにあらずのまま、
服を眺めながら、とぼとぼと歩いている。

「あれは私には若すぎる」
「これは老けて見える」
頭の中の声がうるさくて、買い物にならない。

ため息をつきながらも、足は止まらない。

ふと心に、あの人が浮かぶ。
今のあの人は、私には眩しすぎる。

まるで私が、ちっぽけな存在に思えて、悲しくなる。

――あの日、夢を失ってから、
私はうまく歩けなくなってしまったんだな、と。
そんな自分の気持ちに、ふと気づく。

けれども。
今が一番若くて、
この身一つで、一つの人生を生き抜くしかないことも、
ちゃんと理解している。

買い物客の波に飲まれながら、
泣きたくなって、思わず斜め上を向き、涙を堪えた。

認めるしかないのだと、諦めがついた。
今は耐える時期。
幸せを見つける時間。

まだ時間はある。
けれど、この人生は有限だ。

だから、こんなくだらないことに悩むのは、もうやめよう。

ふとお腹が鳴った。
帰るまでに時間がある。
ラーメンでも食べて帰ろう――そう思って、一人、ラーメン屋に入る。

熱々の湯気、いい香り。
ああ、今って幸せだ。

子供の頃に期待していた“幸せ”は、まだ遠いかもしれない。
でも、こうして小さな幸せを感じながら、生きている。

なんだ、それで十分じゃないか。

まだまだ人生は長い。
絶望するには、まだ早い。

小さな幸せを束ねて、いつか大きな幸せを手に入れよう。

私はそう思いながら、味わい、スープまで飲み干し、食べ終えたのだった。



7/21/2025, 3:11:40 AM

【今を生きる】

時々、囚われてしまう
未来への不安や、過去への後悔に

身体はここにあるのに
心はここにいない

「今を生きる」というのは
ただ『今を感じる』ことだ

例えば
美味しいものを食べた時に
ちゃんと味わうこと

景色を見て
美しいと思うこと

誰かと関わるとき
その人を愛おしむこと

それぞれは小さなことのようで
ちりのように積み重なれば
大きな幸せになる

小さな日々を感じることが
今を生きることに繋がっていく

どうか感じきって
今を生きていたい

僕らの生きる時間は有限だから
迷っている暇があるなら
ただ、今を感じて生きていこう

7/11/2025, 9:28:48 AM

【冒険】

思い立ったから
海へ行こうと思った

切符を買って
電車に乗り込み
車窓に流れる
田舎の道を眺めていた

徐々に景色が変わり
水平線が見えてくる

ボタン式の電車を降りて
10分ほど歩くと海があった

風がびゅうびゅう吹いて
荒波が立っていた

想像していた海は
もっと青く透き通っていて
優しい波があると思っていた

実際は
激しく波が打ちつけ
灰色の空と海
風が立つと砂が舞って
身体中にぺたっと張り付く

レジャーシートを敷いてみたけれど
すぐに砂に埋め尽くされそうになる

嫌気がさして
じっと波を見つめていたが
帰ることにした

帰り道、海に背を向ける
さっきまで吹きつけていた風は
遠くでまだ唸っている

砂だらけの髪を払いながら
私は少しだけ笑った

思い描いた海じゃなかったけど
どんな荒波も、今日の私だけの海だ

灰色の波音が
遠くでまだ鳴っていた

6/21/2025, 10:34:03 AM

【君の背中を追って】

記憶の中の君は
いつも誰かを喜ばせようとして
おどけて笑っている

今はもう君は居ないけど
いつだって昨日のように
懐かしんでは
少し胸がチクっとする

私はあまりにも幼すぎて
君の何も知らなかったような
そんな気がした

それでも君が大好きだった

なぜなら君が私を大好きだって
君が私を喜ばせようとするたびに
伝わっていたから

君が私にくれたものを
今度は私が誰かに渡したい

君がくれた愛を
絶えず渡し続けられるだろうか

君のような
朗らかで愛のある人になりたい

お彼岸にそんな願いを込めて
君に伝えたい

もう心配しないでね、と



6/13/2025, 12:42:26 PM

【君だけのメロディ】

君の、さらっとした髪が
そよぐ風に揺れながら
君は口ずさんでいる

それは
君のための、君だけの歌

少しくたびれた
Tシャツを着ながら
それを着こなすみたいに
自然に歌う

君は、時々
不安で怖くなる日があると言う

そんな気持ちさえ
包み込むように
そのままの君が
感情と魂を音にしている

君の歌は、君の人生だ

君の不安も、恐怖も
そのすべてが尊くて
君である印のようだ

僕には、君をすべて包むことは
難しいけれど

君の歌を、讃えたい

この歌は
君の人生であり
君の道である

どうか、
どんなメロディも
どんな感情も
そのまま、ありますように

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