NoName

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4/13/2025, 2:10:12 PM

【ひとひら】

私は泣きながら
君に背を向けた

未練がないわけではない

ここで咲いてはいけないと
胸騒ぎがしたから
走って遠ざかった

せめて ひとひら
愛した証を置いていきたい

願わくば
君の記憶の片隅に
残っていたい

そして私は
この春に誓う

また咲くことを

唇を噛み締め
雨を待った

4/12/2025, 2:37:07 PM

【風景】


今日という日を
心待ちにしていた

棘だらけの景色を
切り裂いて描いた

新たな風景

これは私の世界

芳しい
美しい
自由である
そんな私を始める

思い立ったが吉日

この世界は
私が彩ると決めた

東に照準合わせて
希望に胸を膨らませ

新たな世界へ

4/7/2025, 7:17:09 PM

【フラワー】


私の胸には
花が咲いている

貴方を想って
佇んでいた

枯れてしまう前に
渡したいのに

貴方の手には
すでに大きな花束

実りのない恋だと
わかっている

それでも渡したくて
涙を拭いながら
貴方を見つめることしか
できなかった

諦めてしまった花も
そこにあるだけで
美しくて価値があるなら
この想いさえ
無駄ではないだろう

4/6/2025, 1:46:51 AM

【好きだよ】

言えたなら楽になるだろうか

喉まで出かかってるのに
いつだってそれが言えない

道路脇でバーの明かりに
二人照らされながら
隣に座っていた

マイノリティな僕らが
普通のように錯覚させてくれる
新宿2丁目は仄暗いのに温かい

短くなった爪にピンキーリング
もう少しで手が触れ合いそう

失うことに慣れたと思ったのに
君を失うことが何より怖い

君がタバコを咥えるから
僕はライターを持つ手を伸ばして
火を差し出した

『好きだよ』

君は目を見開いて咽せた
それを笑う二人

君はタバコの火を消して
僕らは笑いながら抱きしめあった

怖いなりに弱いなりに
君といたいな

僕は、君が好き

4/4/2025, 9:10:24 AM

【君と】 

いつものカフェで
君は口角を上げながら
こちらを見据えた

アールグレイに
砂糖とミルクが
調和している

君といると
不思議と安心できる

時計の針が
チクタクと鳴る中で
君と語り合う

未来はいつも
不確かで
世間は変わらず
大人の僕らに求める

それでも僕らは
このままでいたい

そんな願望を
言葉にせずとも
理解し合っているようだった

小さなシャンデリアが
二つの紅茶を照らして
キラキラと輝いてる

まるで僕らの未来を
照らすように
煌めいていた

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