【好きだよ】
言えたなら楽になるだろうか
喉まで出かかってるのに
いつだってそれが言えない
道路脇でバーの明かりに
二人照らされながら
隣に座っていた
マイノリティな僕らが
普通のように錯覚させてくれる
新宿2丁目は仄暗いのに温かい
短くなった爪にピンキーリング
もう少しで手が触れ合いそう
失うことに慣れたと思ったのに
君を失うことが何より怖い
君がタバコを咥えるから
僕はライターを持つ手を伸ばして
火を差し出した
『好きだよ』
君は目を見開いて咽せた
それを笑う二人
君はタバコの火を消して
僕らは笑いながら抱きしめあった
怖いなりに弱いなりに
君といたいな
僕は、君が好き
4/6/2025, 1:46:51 AM