NoName

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4/6/2025, 1:46:51 AM

【好きだよ】

言えたなら楽になるだろうか

喉まで出かかってるのに
いつだってそれが言えない

道路脇でバーの明かりに
二人照らされながら
隣に座っていた

マイノリティな僕らが
普通のように錯覚させてくれる
新宿2丁目は仄暗いのに温かい

短くなった爪にピンキーリング
もう少しで手が触れ合いそう

失うことに慣れたと思ったのに
君を失うことが何より怖い

君がタバコを咥えるから
僕はライターを持つ手を伸ばして
火を差し出した

『好きだよ』

君は目を見開いて咽せた
それを笑う二人

君はタバコの火を消して
僕らは笑いながら抱きしめあった

怖いなりに弱いなりに
君といたいな

僕は、君が好き

4/4/2025, 9:10:24 AM

【君と】 

いつものカフェで
君は口角を上げながら
こちらを見据えた

アールグレイに
砂糖とミルクが
調和している

君といると
不思議と安心できる

時計の針が
チクタクと鳴る中で
君と語り合う

未来はいつも
不確かで
世間は変わらず
大人の僕らに求める

それでも僕らは
このままでいたい

そんな願望を
言葉にせずとも
理解し合っているようだった

小さなシャンデリアが
二つの紅茶を照らして
キラキラと輝いてる

まるで僕らの未来を
照らすように
煌めいていた

3/30/2025, 11:10:34 AM

【春風とともに】

まるで春風のような人だ

君と話すと
春風のように
心地いい

お茶目で
気楽そうで
春風みたいに
漂っている

そんな君を
私が愛するのは簡単だし
誰からも愛されるだろう

春風のように
掴みどころのない君

どうかこのままずっと
ここにいてほしい

私は君を見つめて
そんな言葉を飲み込んだ

3/30/2025, 6:36:46 AM

【涙】

君を想えば
いつでも目が潤む

ずっと怖くて
君のことを避けていた

だけどそれは今日で
終わりにしよう

だってやっぱり
君が好き

どんな涙も受け止めて
今日からは近づこう
そう決めたから

3/27/2025, 2:03:58 PM

【春爛漫】

花弁が
君と私の間を
埋め尽くす

私の目から
溢れ出す
ぽろぽろと
雫と花弁

春の嵐のよう

掻き分けても
歩みを進めても
一向に
君との距離は
縮まらない

平然を装っても
溢れ出してやまない
この想いは
胸に大きな花を
抱いたまま

春を理由に
踏み出せば
花弁一枚くらい
届くだろうか

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