『心』
心。それはまるで雪のようだ。
感情や思い出がしんしんと雪のように心に降り積もる。
どうせなら真っさらで美しい雪がいい。
時には、黒い雪が積もってるように感じる時もある。
けれど、いつだって選んでいたい。
真っさらな雪が降り積もる場所へ。
どこに向かうかは自分自身で決められるから。
どうか、汚れた泥だらけの場所にいませんように。
真っさらで美しい雪のようにありますように。
『星に願って』
日々、当たり前のように過ぎていく日常に。
どうか、穏やかでありますようにと祈った。
そう遠くない未来、誰もが永遠の眠りにつく。
今感じていることも、この感覚も、やがて過ぎ去ってゆく。
私達には、永遠の命がない。
だからこそ、今がこんなにも尊く、美しい。
当たり前だと思ってた日常が煌めき始める。
もう少しだけ、日々を大切に生きてみよう。
自分と誰かの幸せを星に願ってみよう。
今ある、この生を煌めかせて。
そして、いつか私たちは星々になり、またそこで会おう。
『君の背中』
決して届かないと知りながら、
私はその背中に手を伸ばした。
君の内側はどんなもので溢れているのか、
君はどんな温度で、どんな感性で、
この世界を見据えているのかを、ただ知りたかった。
君が纏っている優しさの質量は、
その背中が物語っている。
君の背中を見つめて思う。
いつかこちらを振り返ってくれるだろうか。
そんな淡い期待を抱いて、
私は、ただ君を見つめることしかできなかった。
『遠く…』
必要なだけ、私は君との距離を空けた。
君が好きなのに、なぜか君といると胸が痛むことが増えた。
この痛みは、教えてくれる。
君を好きでいるべきではないということを。
理性で理解していても、感情は止められない。
君からの連絡が、まだ止まらないというのに、
私は君に背を向けて歩き始めてる。
不確かな道は苦しい。
足元が暗く、どこへ向かっているか今はまだわからない。
だけど、これ以上傷付いていられない。
だから、行きたい。
遠く、遠くへ。
どうか今より少しでも明るい場所へ辿り着くことを願って。
ー静かな夜明けー
日々の慌しく煩い世界に、なんだか疲れた。
一人でいたいのに、一人でいたくない。
眠れずに朝を迎えようとしてる。
寝室に飾った花瓶に挿している、白いラナンキュラスが美しく咲いている。
私も、飾らず、そこにいられたらいいのに。
どこでも、美しくて、ありのままで、真っ白な君みたいに。
君のようにあろうとするなら、私もそのままでいて良いんだろう。
どんな花も、ありのままが美しいから。
きっと、花も人も同じなのかもしれない。
私は誰かの期待に押しつぶされて、自分らしくいることを忘れていた。
だけど、この夜が明けたら、変わってみたい。
少しずつで構わないから、自分らしく居られる選択をしたい。
うんざりしていたこの気持ちも、夜明けと共に朝日に包まれていく。
朝日が寝室を照らし、白いラナンキュラスが、ますます輝く。
どうか、君のようにありますように。
私はそう祈った。