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ー静かな夜明けー

日々の慌しく煩い世界に、なんだか疲れた。
一人でいたいのに、一人でいたくない。
眠れずに朝を迎えようとしてる。

寝室に飾った花瓶に挿している、白いラナンキュラスが美しく咲いている。

私も、飾らず、そこにいられたらいいのに。
どこでも、美しくて、ありのままで、真っ白な君みたいに。

君のようにあろうとするなら、私もそのままでいて良いんだろう。
どんな花も、ありのままが美しいから。
きっと、花も人も同じなのかもしれない。

私は誰かの期待に押しつぶされて、自分らしくいることを忘れていた。
だけど、この夜が明けたら、変わってみたい。
少しずつで構わないから、自分らしく居られる選択をしたい。

うんざりしていたこの気持ちも、夜明けと共に朝日に包まれていく。
朝日が寝室を照らし、白いラナンキュラスが、ますます輝く。

どうか、君のようにありますように。

私はそう祈った。


2/6/2025, 1:01:54 PM