2/27/2023, 12:33:06 PM
くるみ割り人形のお話は、バレエ版よりホフマンが書いた原作の方が好きだ。おもちゃと言葉を交わしたのも、ネズミの王様を倒したのも夢オチなんかじゃない。主人公のマリーは家族から空想も甚だしい、もうその話をするなと言われても信じ続けた。彼女にとって、人形の国とは実在するものだったから。そして、とあるお姫様と違って容姿の醜いくるみ割り人形を心から愛した。
そしてどうなったか? そのハッピーエンドぶりは、夢と現実の区別は曖昧のままでもいい、無理やり覚めなくたっていいんだというメッセージでもあるように思えて、私はいつも勝手に勇気付けられているのだ。
2/26/2023, 1:55:59 PM
電車内にて、向かい側に座っている人が本を読んでいた。カバーがかかってなかったから、何の本を読んでいるのかはすぐに分かった。サガンの「悲しみよこんにちは」だ。
ああ、昔読んだことがあるけれど細かい内容はほとんど忘れてしまったな。自分の境遇とはあまりに異なるので共感はあまりできなかったが、物語としては嫌いではなかった気がするのだけれど。今の自分が読んだら、どう感じるのだろうか。
ふと、その本を読んでいるのがどんな人なのか気になりそっと観察してみた。恐らく、大学生だと思われる青年。私が初めて読んだ時もそれぐらいの年頃だった。君は今、どの辺りを読んでいるのだろう。そもそも、どういうきっかけで手にしたのだろう。当然聞けやしないのだけど、仲間を見つけたような嬉しさが確かにあった。
2/25/2023, 2:49:38 PM
ベランダから見上げた南の空は気持ちのいい青空だったのに、それじゃあ出かけようかと家を出てしばらく歩いていると、その空はどんよりと曇っていることに気がついた。あれ?と思って後ろを振り返るとやっぱり晴れているのに。北と南で空が見事に分割されている。それがちょっと可笑しかった。