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くるみ割り人形のお話は、バレエ版よりホフマンが書いた原作の方が好きだ。おもちゃと言葉を交わしたのも、ネズミの王様を倒したのも夢オチなんかじゃない。主人公のマリーは家族から空想も甚だしい、もうその話をするなと言われても信じ続けた。彼女にとって、人形の国とは実在するものだったから。そして、とあるお姫様と違って容姿の醜いくるみ割り人形を心から愛した。
そしてどうなったか? そのハッピーエンドぶりは、夢と現実の区別は曖昧のままでもいい、無理やり覚めなくたっていいんだというメッセージでもあるように思えて、私はいつも勝手に勇気付けられているのだ。

2/27/2023, 12:33:06 PM