〈Red,Green,Blue〉
近代の街は灰色だらけ。
アスファルトに覆われた地面、大きいだけのビル。
高い建物に隠されて、美しい空の青もよく見えない。
緑は道端に気持ちばかりの植え込みがあるだけ。
様々な技術の力で本当に便利になった世の中だけど、
何だかつまらないような気がする。
私がこの発展した街に傲慢にも不満を抱き始めたのは
ファンタジー小説にハマってからのような気がする。
見渡す限りの豊かな森の緑。
そこに実っている水々しい果実の赤。
そしてその上に広がる明るい空の青。
主人公達が冒険する場所は、色に溢れた世界だ。
私もこんな世界に行きたいと思った。
重苦しい世界を抜け出して、カラフルな自然の中で
暮らしすことを願った。
ファンタジーのような生活をする為なら
苦手な虫すらも我慢できるような気がする。
2025年の現在ならば、自然の中に行きたいと願えば
お金さえあれば叶えることはできる。
でも、今この瞬間にも自然破壊は進んでいる。
木は伐採され、川は消え、砂漠化が全てを飲み込む。
植物が消えると当然地球温暖化も進んでしまう。
このままだといつか自然は姿を消してしまうかもしれない。 そうなるともう自然の中で暮らすなんて夢は一生叶わなくなる。
自然を守る為にただの学生の私に何が出来るのか。
義務教育でその解決策は何度も聞いてきた。
でもそれを実行できているか、と聞かれたら微妙だ。
木が好き、動物が好きと言っている癖に
それを守る努力はほぼ出来ていない。
ならばこの機会に小さなことでもやってみようかな。
エアコンよりも扇風機を使い、
車はあまり使わないようにし、
自然に優しそうな商品を選ぶ。
大人になって出来ることが増えればそれもやってみよう。
美しい自然を、赤や緑や青に溢れた世界を守る為に、
ほんのちょっとでも行動を変えてみたいと思う。
〈言い出せなかった「」〉【途中】
今日1日だけでも言い出せなかった言葉が沢山ある。
このタイミングで「ありがとう」を言えばよかった。「すみません」を言い忘れたことに相手が去ってから気がついた。もっと上手に相槌を打てたのに。
どうして私はこんなにコミュニケーションが下手なんだろう?
小学生の時にはもっと明るくて、楽しく話せていたのに。
参考にできればと、クラスの明るい人たちをよく見てみた。誰にでも明るく挨拶してくれる人。休んでいた時のプリントを進んで見せてくれる人。何か失敗した時にはきちんと謝る、それも私のような陰気な謝罪ではない。
〈夏の忘れ物を探しに〉
後で書きます
〈もう一歩だけ、〉
夏休み終了早々、今日はテストがあった。私達の学校で恐れられている、二次試験レベルの難解なテストだ。百点満点中、平均点は約三十点。だから、半ば諦めて、昨日は英語の暗記ばかりしていた。それでも半分ぐらいは解く事ができた。一問五点だから、平均点ぐらいはできただろう。だから、チャイムが鳴っても焦らなかった。
放課後、配布された解答を見て頭が真っ白になった。見覚えのある数字が無いのだ。慎重に見て、一致したのは二問のみ。つまり十点。それ以外は見事に間違っていた。部分点すら期待できないだろう。
悩み事は笑い話にすると忘れられると聞いた事があるので、友人達に話してみることにした。やはり皆難しかったと言っており、少し安心した。私も感想を言おうとした時、クラスメイト達の声が聞こえて来た。「やばい、三十点無いかも」
「良かった、二十点はあった」
私は数学が苦手だ。それは認めていた。でも、それでもまだクラスでは出来る方だと思っていた。もう何も話したく無くなってこっそりと教室を出た。
今回のテストは夏休み明けテスト。勉強時間はたっぷりとあったはずだ。なのに私はまだあるから、とスマホをいじり、漫画を読み、ダラダラと暮らして来た。今回のテスト結果は当然だ。あの時、ほんの少しでも苦手教科に取り組んでいたら。あと一歩だけでも進んでいれば。
明日もまたテストがある。得意でも苦手でも無い古文だ。今またこうやって現実逃避として悩みを作文化している私だが、そろそろ前を向いて、あと一歩だけでも進んでみよう。明日の自分の為、数年後の入試のため、大人になって働くようになった時の、未来の自分の為に。
〈見知らぬ街〉
〈素足のままで〉【途中】
自分の部屋に入ると、見慣れた絵がいつもと違って見えた。祖父が描いたミステリアスな壮大な城とどこかにありそうで無い、美しい街の絵だ。ファンタジーファンである私はこの絵が大好きだ。だから、一目で異変に気づけた。いつもと鳥の位置が変わってる。空がいつもより少し暗い。そして窓から見た景色のように絵の具の跡が見えなかった。そっと絵に触れてみると手が中に入った。信じられない。指先に冷たい風が触れた。もしかして、「ナルニア国物語」や「鏡の国のアリス」みたいに中に入れたりするのかな?私は勇気を出して絵の中をくぐった。
目を開けると