踊るように。
おすすめは少し風が、ある日。
風に向かって歩くと少し抵抗を感じるぐらい。
目を開けられないのは、強すぎる。
特に荷物は持たなくて。
家の鍵と飲み物が買えるぐらいの小銭。
気分良く歩きたければ、イヤホンつけて。
お気に入りの音楽を聴きながら。
散歩する。
日差しは暑いと辛いから、
ちょっと日暮れぐらいが、一番いい。
風を受けて、髪や服が靡くたび。
少しだけ体も心も浮かぶよう。
周りの景色も一緒に、なって。
ふわふわ、サァっと身をまかす。
落ち葉に、草木に。靴音に。
どっかの誰かの街の声すら。
こころが踊る、特別感。
時を告げる
むかし、祖父母の家の仏壇の横。
柱の真ん中に、かけてあった振り子時計。
そんな大きいやつじゃない。
時間が丁度になると、
ごーん、ごーんって鳴りだした。
その時間の回数だけ、音がなる。
一度だけ。
ねじを巻くところを見せてくれたことがあった。
キリキリと回すのが、とても不思議だった。
これをしないと時計がおかしくなるからねって。
今はもう、なくなってしまったけれど。
聞こえないはずの音が、
響いている気がするんだ。
貝殻。
白くて小さいの。
大きくて、灰色。
欠けたやつ。
丸いのや、尖ったやつ。
裏がキレイな虹色。
見たことがない変わった形のものまで。
集めてみたら、とてもカラフルで個性豊か。
波に揉まれてたくさんの貝殻が流れ着く。
何処から来たのか。
どこで生まれ、死んだのかわからない。
それは亡き骸。
捨てられた殻。
海は広くて大きいから。
遠い国からやってきたものも、
流れ着いているかもしれない。
どこで旅が終わるのか…。
自分じゃきっと選べない。
きらめき。
キラキラ光るものは好きだ。
ギラギラはちょっと強いけど。
ビーズとか、ガラス。
たくさんの形、大きさで溢れてる。
水面だったり、木漏れ日だとか。
海でも、川でも、何だって。
もちろん、宝石だって好き。
まぁ、なかなか手に入らないけど。
自分が気に入った角度で。
光を反射する様子に。
ワクワクしながら、癒やされる。
こんなふうに輝くものを、
いつか、自分が作れたら。
とても幸せなんだろうな。
それでも、時々その輝きが眩しい。
些細なことでも。
気になって。
気にして。
動いて。
動いたつもりになって。
失敗して。
もしくは、成功して。
でも、自信がないから。
周りの顔を伺って。
どんだけ、頑張っても自分を認められない。
自己嫌悪。
自分のあり方を、周りに託しているようで。
憧れと願望だけは大きくなって。
出来ないことに、出来ない自分に。
考えて、追い詰めて、落ち込んでく。
そんな生き方に、慣れたくないなぁ。
(自信をつけるって、簡単にできたら悩まない。)