さよならを言う前に。
小さい頃、夏の夕方が好きだった。
なかなか暗くならなくて、
だんだん涼しくなってくるから、
ギリギリまで近所の子たちと遊んでた。
晩ごはんのいい匂いも漂って。
ゆっくり夜に向かっていく空気は、
大人になった今でも好きだったりする。
楽しかった日は、なかなか家に帰らなくて。
それぞれ親に呼び帰された。
まだ、遊ぶと駄々をこねたこともあった。
それでも、帰らなくちゃならないから。
お腹だってすくから。
だから。
また、明日って言ってさよならする。
明日を、約束してさよならする。
大人になった今、あんまり言わなくなったかも。
おつかれ様ですが、挨拶で。
なかなか、またねって使わない。
日常が、仕事中心で終わるから。
なかなか、遊びなんていかないし。
休みは、休みで終わるから。
さよならってなかなか言わないな。
(さよならって言える別れは、ありがたい。)
空模様。
今日の天気は、晴れ。
いや、曇りのち晴れ。
でも、夏だから。
もしかして、通り雨が降るかもしれない。
天気予報はあたらない。
春の空。夏の空。秋の空に、冬の空。
見上げて、季節を感じれる。
いろんな空があるけれど。
その日の気分で、空も変わる。
自分のこころで、空が変わる。
気分が良いと、曇りや雨が憂鬱でも。
雨の音や、風の音。
すこし心地よく感じれる。
落ち込んだとき、晴れた空でも憎らしい。
曇りや雨だと、もっとひどい。
じめじめ、重く沈んでく。
ふて寝だってしたいぐらい。
できれば、きれいな空の模様。
いっぱい楽しんでいたいから。
できれば、元気でいたいもの。
(ふとした時に見る空が、綺麗に見えると嬉しいよ)
鏡。
洗面所で、顔を洗ったら目の前にある。
一歩外にでて、車や道路のミラー。
建物のなかには、もっとある。
色んな場所に置いてある。
大きさも、形もそれぞれで。
シンプルなもの、カラフルなもの。
使い方だっていろいろ。
目的だって、いろいろ。
いろんな場所で、見ることができて。
いろんな場所で、見られてる。
見られてるって、思うこと。
見たくなくても、みえること。
見てほしいって、思えるか?
見られてもって、思えるか?
気にしない人も、気にする人も。
しすぎる人も、まったくしない人も。
みんなそれぞれ。悩みもそれぞれ。
せめて。
見ることを、やめることがないように。
ときどき自分をみつめて見るさ。
(時々確認しないと、それはそれで不安になる)
いつまでも捨てられないもの。
クローゼットの奥。
ベッドの下。
本棚の隙間。
色んな場所に、ちょっとずつ。
あの頃の、写真。
いろんな人に貰った、手紙。
お気に入りの、洋服。
ちょっと変わり者の、文房具。
昔使ってた、手帳。
あのとき聴いてた、CD。
何ならはじめて書いた、履歴書まで。
大きなものから、
小さなものまで。
人から見たら、いらない物でも。
自分にとっては、大切なもの。
いつか手放すかもしれないけれど。
今は、そばにいてほしい。
どんどん増えてく、ものたちが
私の周りを埋め尽くす。
たくさんの思い出を、これからも。
(想いがあるから、捨てられない。)
誇らしさ。
朝。
眠い頭と体を無理やり起こしてボーっとする。
今日も、あっという間に朝が来た。
布団に逆戻りしたいが、そういうわけにもいかない。
出かける準備をしなければ。
とりあえず、
テーブルの上にあるリモコンで、テレビをつけた。
そこからは時間との勝負だ。
… とは言っても、ほぼ流れ作業で終わらせる。
毎日のことだから。時々、油断することもあるけれど。
すこしだけ早めに準備が終わって。
でも、朝ごはんを食べるほどの余裕はない。
ケトルを手にとって、お湯を沸かす。白湯でも飲もう。
健康とか、美容とかのためじゃなく。
胃腸が強くないから、朝は白湯くらいが丁度いい。
お茶ぐらいならいいかもしれないが、
ゆっくり味わえないのなら、茶葉がもったいない。
合間に聞こえるテレビの音。
今の流行りだとか、今日の天気だとか、
スポーツの結果や、話題の映画や音楽とか。
朝からとても賑やかだ…。
目に映るテレビの向こうは、みんな元気でにこやかで。
自信にあふれて、どこか誇らしげに話してる。
現実はわからないけど、そう見えるだけでも尊敬だ。
飲み終わったカップを片付けて。
さて、今日も1日乗り切ろう。
…占いの順位は、真ん中だった。
(得意げに話はしても、誇らしいと思えない我が身。)