鳥のように高く飛びたい。
誰かに必要とされて食べられるなら、
人間の体で自殺するよりはマシだと思う。
世界って理不尽だ。
鳥になりたいと願っても、
蟻から変われやしないんだから。
いっそのこと、
神なんて居ない方がマシだと思う。
いるかいないか区別がつかないその人に、
何かを願ってもどうせ、
現実は変わらないんだから。
99テーマ【鳥のように】
ある日の空は点々模様。
ある日の空はアニメのような空。
ある日の空は絵に書いたような淡い色使いの空。
空模様は楽しいものが多い。
空模様、触ってみたらすぐ消えそうで、パッとしていて綺麗なものが多く、色がハッキリするとアニメのようだと思えるものが多い。
98テーマ【空模様】
学校から、一緒に歩いて帰ろう。
自転車に乗って、君とどこまでもゆこう。
バイクに乗って、ツーリングをしよう。
車に乗って、君を送り迎えしよう。
バスに乗って、君と思い出巡りをしよう。
新幹線に乗って、子供の所へゆこう。
飛行機に乗って、遠くの町へ旅をしよう。
新幹線に乗って、孫の所へゆこう。
バスに乗って、孫たちと遊園地に行こう。
子供が運転する車に乗って、ドライブをしよう。
孫が乗るバイクの写真を見て、ほほえもう。
曾孫が自転車に乗るらしい、上から見ていよう。
学校でも生活は楽しかった、
また君と一緒に学校生活を過ごしてみたい。
97テーマ【自転車に乗って】
中学高校吹奏楽部の君の奏でる音は、
耳に優しくでも心に響き、
耳に残り何回も聞きたくなる。
大学でも君の奏でる音楽を
聞くことが出来たのは、
とても嬉しい事だった。
でも大学卒業したあと、
君は直ぐに音楽を辞めた。
『どうして辞めたの?』なんて、
聞く勇気は僕には無いし。
それに、音に詳しくない僕には、
聞く義理がない。
僕が聞いたとしても無視されるだけだろう。
でも、今年27歳。
大学卒業から5年は経つ。
今更かもしれないけど、
僕は急に聞きたくなった。
そしてメールで君にメッセージを送った。
『久しぶり。皆森翔葉(カイモリショウヨウ)です。
君の音を聞きたくなったんだ。
久しぶり聞けたりしないかな?
無理かもしれないけれど、
考えてみてくれたら嬉しいです。』と。
数時間待つと、メールが一通届いた。
「お久しぶりです。
音楽はもう辞めたんだ。
君のことだから、
理由を教えてもらいたい、
とかでも思っているんじゃないのかな。」
「でも、、楽器ももうないし、
どうしようもないよ?
会ってみるならできるけど。」
そう返ってきていた。
やっぱり君は僕の考えを見破るよね。
本当にすごいよ。
ありがとう、覚えててくれて。
でも…やっぱりあの音を聞けないとなると、
ショックなんだよね…。
『会えるなら、いつ頃がいいの?』
「今週か来週。かな。」
『僕今週金曜午後空いてるよ。そちらは?』
「すごい…私も空いてる。
◯◯駅近くの𝒻𝒾𝓇𝓈𝓉っていうお店で。」
『15時で大丈夫?』
「大丈夫だよ。15時にしよう。」
『それじゃあ、また、金曜日。』
「それじゃあね。」
会う約束ができた…。嬉しいことだ…!
聞かないようにしようかな、あのことは。
ほんっとうに楽しみです。
96テーマ【君の奏でる音楽】
終電に駆け込み乗車した僕。
その電車が、終点まで行くと、
乗車中の人間諸共、
この世界から消える電車だとは気づかずに。
目を覚ますと、暗い暗い森の入口辺りに寝っ転がっていた。
変だな…と思いつつも、体を動かす。
立ち上がって見てみると、
辺りには電車の残骸。
人一人居なさそうだった。
遠くから聞こえる、パトカーのサイレン。
そのサイレンを頼りに、電車の残骸を後にする。
けもの道からまともな道路に出たと思えば、
目の前に拡がっているのは畑ばかりで。
真っ直ぐ目を凝らして見ると、
パトカーらしきものが溝に落ちている気がする。
パトカーまで走って走って…
たどり着いた先には、血生臭い匂いがした。
その勘は当たってしまい、
人が三人ほど、乱雑に殺されている。
人の感は鋭いほど当たる。
周りに人はいない。僕一人らしい。
なんだか、奇妙な世界まで飛んできてしまったようだ。
「ジジジ…ぁ、あー、、」
「あれ?生き残っている人間がいるなぁ。」
「あいつはなぜ生きている?
この世界には、空気など無いのに。」
「あぁ、死んだ体が動いているのか。」
「ようこそ、ゾンビだらけの世界へ。
君はもう、元の世界には戻れない。」
95テーマ【終点】