窓越しに見えるのは、
変わらない町並みと、移り変わる空。
僕はこの町のように変わらずにいられるのかな。
それとも、あの空のように変わらずにはいられないのかな。
どちらにせよ、時は待ってはくれないのだから、
この窓から見える景色のように、
変わるもの、変わらないもののすべてを、
愛していきたいと、そう思った。
運命の赤い糸。
繋がってるのは、あなた?
それとも、違う人?
いいえ、誰だって構わないわ。
そんな糸を鵜呑みにして惹かれるほど、
私は恋に盲目ではないもの。
私は、私の意思で、
相手を選んで決めてみせるの。
だから、あなたを選ばなくても、
拗ねないでちょうだいね?
ここではないどこかへ、
すべてを捨てても構わないから、
きみと一緒に、
行きたいんだ。
誰でもないただの二人になって、
ただただ二人で笑いあって。
二人だけの、きみとぼくの楽園を作ろう。
『じゃあ、またね』と、
元気に手を振る君をいつものように見送って。
いつもより慌ただしい日々を過ごしながら、
君の帰りを待っていたけれど。
いつまで待っても、ギリギリまで待っていても、
君が帰ってくることはなかった。
ああ、あの日が君と最後に会った日になるなんて。
こんなことになるならば、
『一緒に行きたい』と、伝える勇気があれば、
まだ君と別れずに済んだのだろうか。
後悔でちくりと胸が痛むけれど、
その選択をしなかったのは自分自身。
何より私には、まだやるべきことが残っている。
この世界のどこかにいる君にも気づいてもらえるように。
私は私のすべきことをしよう。
そうすればきっと、
また君にも会えるだろうから。
あなたと出会って、
いろんなものを一緒に見て。
隣にあなたがいてくれたおかげで、
たくさんのことを知ることができた。
あなたがいたから、
わたしの世界はより一層輝いて見えた。
だけど、
あなたの傍に、わたしはいるべきではなかったみたいで。
あなたに、たくさん迷惑をかけてしまった。
あなたのことが大切だから、
これ以上あなたを苦しめたくないから。
わたしは身を引くことにした。
それでも、
あなたがいたから、
あなたと出会って過ごせたことが、
わたしにとっての幸せだったから。
この気持ちだけは、
宝物みたいに、大切にすることを許してほしいな。