雨谷リツキ

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3/19/2024, 2:00:40 AM

奇跡によって世界は救われた。
だけど、奇跡を起こしたあの人は、
私たちの元には戻ってこなかった。

奇跡の代償だとか、
全てを懸けて世界を守ったのだとか、
もっともらしい理由を考えたけれど、
それでも納得することができず。

あの人のいない世界なんて、と
零れ出そうになった言葉を慌てて呑み込んだ。
それを言ってしまったら、奇跡を、あの人を否定することになってしまう。
それだけは嫌だった。

何事もなかったかのように続く世界を、
今日も私たちは生きていく。
だけど、あの人から未来を奪った不条理を、
忘れることはないだろう。

3/16/2024, 4:16:03 PM

夜が怖い。
明日が来なかったらどうしようと、
不安で眠れなくなるから。

失うことが怖い。
この手から零れてしまったら、
二度と取り戻せない気がするから。

執着することが怖い。
ひとつのことに囚われるなんて、
今までの私では考えられなかったから。

怖いものなんて何もなかったはずなのに。
貴方に出会ってから、怖いものが増えてしまった。

ああ、こんなに怖がりな私でも、
貴方は笑って許してくれるのかしら。

3/16/2024, 4:07:00 AM

ある日、僕の庭に星のかけらが落ちてきた。
それもひとつではなく、いくつものかけらが。

星のかけらたちは、光と音で僕に訴える。

このままじゃ寂しくて死んでしまいそう。
だから貴方の手で、元に戻して、空に還して。

勝手に落ちてきたのはそっちだろうとか、
騒がしいのは嫌いなんだとか、
文句をたくさん言ったけど、彼らは聞く耳も持たず。
仕方がないから、星のかけらたちの言う通りにした。

同じ色のかけらを繋ぎ合わせて。
かけらが足りないからと、また庭に落ちてくるのを待ち。
その間に、話をしてとせがんでくる彼らの話し相手になったりもして。

気がつけば、僕の庭は星でいっぱいになっていた。
かけらたちはみんな元通りの星になったのに、いまだ空に還ろうとせず。
そのことに、何故か少しだけ安堵する僕もいて。

騒がしいのは嫌いだったんだけどな、と零したら、
賑やかなのも悪くないでしょう?と星たちが笑った。

空より星が溢れる庭も、確かに悪くはないかもね。
彼らに聞こえないように、心の中で呟いた。

3/14/2024, 2:01:23 AM

あなたのことが大切だから、
ずっと傍にいたいと思った。

どれだけの月日が経っても、
姿も環境も変わってしまっても。
そんなの些細なことでしかないもの。

だから、
ずっと隣で、
あなたのために存在するわたしで居させて。

3/8/2024, 2:48:11 AM

月夜に出会った君は

宵闇の得体の知れなさと
望月の眩い明るさを持ち合わせていて

僕にはそれが とても美しく見えた

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