ある日、僕の庭に星のかけらが落ちてきた。
それもひとつではなく、いくつものかけらが。
星のかけらたちは、光と音で僕に訴える。
このままじゃ寂しくて死んでしまいそう。
だから貴方の手で、元に戻して、空に還して。
勝手に落ちてきたのはそっちだろうとか、
騒がしいのは嫌いなんだとか、
文句をたくさん言ったけど、彼らは聞く耳も持たず。
仕方がないから、星のかけらたちの言う通りにした。
同じ色のかけらを繋ぎ合わせて。
かけらが足りないからと、また庭に落ちてくるのを待ち。
その間に、話をしてとせがんでくる彼らの話し相手になったりもして。
気がつけば、僕の庭は星でいっぱいになっていた。
かけらたちはみんな元通りの星になったのに、いまだ空に還ろうとせず。
そのことに、何故か少しだけ安堵する僕もいて。
騒がしいのは嫌いだったんだけどな、と零したら、
賑やかなのも悪くないでしょう?と星たちが笑った。
空より星が溢れる庭も、確かに悪くはないかもね。
彼らに聞こえないように、心の中で呟いた。
3/16/2024, 4:07:00 AM