彼岸花

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6/23/2024, 11:49:58 AM

#子供の頃は

子供の頃は、

鏡に映る自分が、ただただ不思議で 

おもちゃのイヤリングをつけて

もう1人の自分に向けてピースしてた。


大人になった今は、

鏡に映る自分が、ただただ嫌いで

大きな厚紙を貼って

隙間から覗く自分にバットマークをつけた。


昔は綺麗に見えていたものが、

今ではこんなに汚く見える。


私の中の灯火は、

いつの日か灼熱の炎となって

私の心さえも、蝕んでしまった。


今は嘆くことしかできない

あぁ、あの頃はよかったなぁって。

6/22/2024, 12:05:37 PM

#日常

何もかも、変わらない通学路
つまらない日常

テレビで言っていた
目線を変えるだけで世界が変わると

そんな大袈裟な。

試しに空を見上げてみた
雲の色が変わるわけでもなかった

ただ、
なんだか面白い形をしていた

次に前を見る
相変わらず人気の多い住宅街
高校生の笑い声が響く

あれ?あんな建物あったっけ?
…何が建つのかな?

…楽しみだなぁ

ちょっとだけ、心が温かくなった気がした。

6/18/2024, 12:50:08 PM

#落下

1人で歩く、いつもの夜道

切れかけの電灯が点滅している
明かりに集まった小さな虫たちが微かに音を立てながら

何をやってもダメだった
楽しいことなんて、嬉しいことなんて
なにもない

生きる意味も分からなくなる

ふと、今朝のニュースが脳裏に蘇る
1人の子供がマンションから飛び降りて亡くなった

きっとその子も、生きるのに疲れちゃったんだろうな…

正直に意見を言っただけで、批判されて
顔が見えないことをいいことに、暴言を吐かれて
人間の存在が、どんどんいらなくなってって

こんな世の中、生きにくいよ

自宅のアパートが目に入った
そして少しだけ脳によぎる、悪い考え

“この高さなら、ちゃんと消えられるかな?”

この世から去る勇気もないくせに、
気づけば毎日こんなことを考えている

錆だらけの階段を登った後、
自宅のドアの前に立って、下を見下ろした

たぶん迷惑とか、何も考えずに
この夜の闇に落ちていけたらいいのにと

6/15/2024, 10:50:45 AM

#好きな本

今日もまた、辛い1日が始まった。

道を眺めながら重い足で歩く
いつもと変わらない、つまらない通学路

前方にクラスメイトが群れて歩いていたため、
反射的に道を変えてしまった

これも一種の拒絶反応だろうか
そんなことも考えた

何人かが一緒に行動しているのを見かけるたびに
自分がとても惨めに見えてくる
なんで私はいつも1人なんだろうと

本当は寂しい。
誰かと話したい

でも、こうやって自分から道を断ってしまう

学校に着いた
もちろん誰もおはようとは言ってくれなかった
自分から言う勇気もないのだから当然か

木製の椅子に座って小説を読むのが日課だった
もともと、読書はしなかったのだが、こうやって
暇を潰しているうちに好きになった

本は現実とは全く違った世界に連れ込んでくれる。

ミステリーの世界
恋愛の世界
娯楽の世界……

何がいいって、それを第三者目線で見られることだ
面倒ごとにも巻き込まれなくていい

だから私は今日も本を読む。

こんな現実から離れるため
自分だけの世界に入るため
寂しさを忘れるために

6/14/2024, 10:41:12 AM

#あいまいな空

夏の風は暑かった

飲みかけのラムネ瓶の底が濡れていた

シャワシャワとセミが鳴く

屋根くらいつけてくれてもいいじゃないかと

目を細めながら空を見上げた

積乱雲とも、入道雲とも言えない雲が流れていた

錆だらけの電車は音を立てて去っていった

それはたった何分前の出来事なのに

ひどく遠く感じてしまう

熱の残るベンチに座って残りのラムネを飲み干した

少しぬるくなった液体が喉を通り抜けるのを感じた

ふとあの電車が走っていった方向に目を向ける

先には林が広がっており、小さなトンネルがあった

今頃、どこに着いてるんだろうな

暑さのせいか、そんなことを考えてしまった

あの時ちゃんと言えていたのなら

そばにいたいって伝えられたのなら

未来は変わっていたのだろうか

また空を見た

気づけばさっきの雲が消えていた

あいつも結局、どっちにもなれなかったのかな

そんなことを思いながら、

電車とは反対の方向に足を踏み出した。

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