彼岸花

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1/14/2025, 12:01:08 PM

#そっと

触れた瞬間ほろほろと

コーヒーに溶けた恋心

甘く切ない角砂糖

優しい夢を見せてくれ

せっかちな古時計は

小瓶の中にさようなら

「日常」の鳥籠

閉じ込められたことり達

まだ空を見つめてる

現実から目を背けるのは

決して罪ではないからさ

たまには肩の力抜いて

そっと腰を下ろそうよ

1/13/2025, 11:56:59 AM

#まだ見ぬ景色

海風が頬をつついた

火花が出そうなほど

熱く激しく駆けていく

ブレーキは必要ない

もう誰も止められないから

朝露が光りだす前に

痛みはどこかに置いてって

僕はひたすらに走るのだ

こいつと共に走るのだ

誰かのためでもなく

自分のために

1/6/2025, 3:07:19 PM

#君と一緒に

二人で作った泥団子

君の手を握って見せに行った

大人は皆、『手を洗いなさい』って言ってたけれど、

砂のジャリジャリした感触が夏の空には心地よかった


降り積もる雪に残された二つの足跡

少し大人びたマフラーをした君は

赤くなった手を隠すように、ハンドクリームを塗った

しっとりとした白い肌に、少し乾燥した手を重ねた


ふわふわと空を舞う花びらたち

お互いにしわしわになった手を繋ぐ

昔はあれほど軽かった体が、時に鉛のように重いのだ

呼び合っていた名前も思い出せず、

気づけば、“じいさん”“ばあさん”と呼び合っている

それでもこの光景を、もう一度二人で見たかった

「来年の桜が見れるか分からんからのう。」

「…きっと見れますよ。」

暖かな春の空気が二人の間を通り抜けていった

1/5/2025, 11:00:26 PM

#冬晴れ

寒空に咲いた雪の花

珍しいものを見るように

君は呟いた

「綺麗だね」

その横顔を見ることはできなかった

陽の光のように眩しかった

私の隣に、君はもういない

咲いた霜が溶けていくように

冬の空気と共に

どこかにいってしまった

もうすぐ春がくるのだろうか

もしもそうであるならば、

私だけ冬に取り残されますように

1/1/2025, 1:56:57 PM

#新年

『あけおめ』

照れ隠しのメール文
結局これしか送れなかった
最初にお前に会うのは俺がいいなんて
そんなこと、言えるわけないじゃん

音を立てては消えていく
そんな文字を眺めながら深い息を一つ
枕に顔をうずめる
俺は何を悩んでるんだろう

恋路は時に状況に左右される
プライドという汚い壁が邪魔をして、
捨ててしまいたいような劣等感は這い上がって来る

それでもお前が好きだって
胸を張って言えたなら、どんなに楽だろう

薄暗い沈黙に、体ごと委ねてしまいたい
二度寝という名の世界に入りかけた時、
スマホが小さな音を立てた

『明けましておめでとう。お正月空いてる?』

男は単純なもんだ
好きな奴の言葉に一喜一憂しちゃって
今まで悩んでたことなんて、
すぐにどこかに消えてしまうのだから

淡く染まった胸の内
一体いつまで隠しておけるだろう?

だって今この瞬間さえも
鏡の中の顔は、ニヤついているのだから

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