#柔らかい雨
あなたは雨男
デートの約束をしても
次の日には雨が降る
私の前髪が決まらないのは
あなたのせいかしら…?
また会う日も、きっと雨
_今日は何をやってもダメ
わけもなく溢れる感情
いくらでも求める愛情
特別なものなんて何もいらない
ただ、あなたの声が聴きたい
あなたは雨男
涙の跡を消すように
それはまるでささやかな慈雨
どこか太陽に似た温もり
過去や未来なんて今は忘れて
この身を委ねてもいいのかな
#哀愁を誘う
落ち葉の上を歩くと、秋の音がした
駆けまわる子供たちの声に耳を傾けて
そっとさす木漏れ日に目を細めて
地面に落ちたどんぐりも、鳥につつかれた銀杏も
水の流れに身を任せる小石のごとく佇んでいた
スローモーションのように穏やかな時間が過ぎていく
一緒に座ったベンチも、初めてキスをした場所も
全部はっきりと覚えてるのに
あなたがいないという事実だけが受け入れられなくて
まだどこかにいるような気がして
結局いないって絶望して、勝手に落ち込んで…
駄目なんだ
あなたがいなくなった日から、ずっと
私の歯車は動いてない
残っているのは錆びついた傷だけだった
#鏡の中の自分
この世界に“鏡”というものが無かったら
きっと今の酷い自分を見なくて済む
辛い現実から目を背けた先にあるのは
いつだって“そいつ”だった
自分はもう何も見たくないのに
見ろよと言わんばかりに私の周りを映し出す
私はそいつを殴った
粉々になるまで、一筋の光さえも反射させないように
…ああ、また1つ世界から消えてしまった
このまま全部なくなってしまえばいい
雨上がりの街
薄汚い水たまりには
悲しそうな自分の顔があった
#永遠に
この思い出を永遠に残すことはできるのだろうか?
あなたの記憶にいくら刻んだとしても
所詮人間だから
いつかは忘れて灰になる
だったらせめて、
その記憶の中に私がいたことにできないかな?
あなたの隣、一番そばで見守るのは
いつだって私がよかった
何かを求めてるわけじゃない
ただ、あなたが好きなだけ
この気持ちは、間違いなく『永遠』
#理想郷
隣にあなたがいるだけで
そこは私の理想郷
隣にあなたがいないなら
そこはただの“地獄”
もしもあなたが死ぬのなら
私をあなたの傷に残して欲しいだなんて
一生、言えないけどね。