彼岸花

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4/4/2024, 10:25:00 AM

それでいい

隣にあなたがいる
それでいい、それだけでいいの

だから、“将来のこと”とか言わないでよ

結婚しようだとか、子供を育てるかとか、
急に聞かれても困るし…

私は今の距離感が好きなのに
私達の関係は『恋人』それ以上でも以下でもない

かと言って別れるのは嫌だから
今日も曖昧にやり過ごそう

いつまで先延ばしにできるかな…

せめて、来月までは…
この世から去る日までは彼のそばにいたいな…

私は、数ヶ月前から不治の病で余命宣告を受けていた
でもそのことは彼には言わなかった

だって、最後に見たいのは
彼の泣き顔じゃないから…

4/3/2024, 12:07:34 PM

一つだけ

僕は“死にたい”と思い、ビルから飛び降りた
この高さなら間違いなく死ねると思っていた

でも結局、死ねなかった

「奇跡だ」「なんでこんなことをしたの」
重度の骨折で終わった僕を見下ろして、
両親と医者から言葉という名の酸性雨が浴びせられる

それらは僕の心の傷を悪化させるだけだった

喜ばないで、問い詰めないで、慰めないで…

僕は“死にたい”というよりも
“消えたい”のかもしれない
僕を知る全ての人の記憶から

おとぎ話の世界のように、魔神というものがいて
願いを叶えてくれるのだとしたら
僕は間違いなくこう答えるだろう

「ただ一つでいい、消えさせてくれ」と

4/2/2024, 12:07:56 PM

大切なもの

どうせ失うくらいなら、
大切なものなんてなければよかった

財産も、時間も、人々も
いずれはみんな消えてしまう

そこにただ1つ残るのは悲しみだけ

悲しさを感じてしまうのは
大切なものを作ってしまったから

この命も本当に大切なものなのだろうか

誰かに必要とされているわけでもなく、
ただ茫然と生きているこんな自分は
地球にとって大切なものなのだろうか

4/1/2024, 12:47:44 PM

エイプリルフール

私は4月の愚か者

静寂に包まれた部屋で

1人で泣いた

もうあなたは戻らない

窓から見えた桜の木

桜の花びらはくすんで見えた

心情とは裏腹に

空は清々しいほど晴れているのに

全部、嘘だったら

どんなにいいだろう?

あなたも嘘だと言って、帰ってきてよ

そんな虚しい心の叫びは

民衆の声によって掻き消された

私はエイプリル・フール

3/31/2024, 11:14:24 AM

幸せに

お兄ちゃんは私のことを嫌っていた
お菓子は全然分けてくれないし、
ギュッとしたらやめてって怒られるし…

それでも、私はお兄ちゃんが大好き
だって世界に1人の大切なお兄ちゃんだもん

でも、お母さんに「妹を大切にしなさい」って
言われた時のお兄ちゃんはとっても苦しそう

その度に
“おまえなんかいなかったらよかった!”
って言われる

私がいなかったら、お兄ちゃんは元気になれるのかな?
幸せに暮らせるのかな?

あ、そっか…私が、お兄ちゃんを苦しめてたんだ……
私なんて、どこか遠くに行っちゃえばいいんだ

ガチャッ
バタンッ

どこに行けばいいんだろう?
何をすればいいんだろう?
寂しいなぁ…

けど、お兄ちゃんが幸せになるなら…

「どうか、幸せに生きて…」

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