僕はいつも、海の底から空を見上げてるみたい。
暗く、深く、遠く……。
気が遠くなるほど、誰とも繋がってない感覚。
孤独、でも特に不安はないんだ。
不快ないざこざもない、何もない空間。
ただ生きてるだけ。
……だけなのかもしれない。
幸せを感じることもない。
でも不幸せでもない。
と思っている。
誰かと繋がらなきゃいけないのかな。
そんなもの、無くてもいい。
僕はただ、きらめく水面を眺めてるだけで充分。
それだけなんだ。
だから。
救いに来なくていいよ。
手を伸ばしてくれる君。
僕には届かないから。
君の気持ちは、透明な僕には必要ないんだ。
ありがとうね。
『海の底』
『君に会いたくて』
君に会いたいと、よく思っていた。
職場では毎日顔を合わせるけど、素顔の君に会いたくて。
プライベートの君はどんな子だろうと、よく考えていた。
妄想が捗って、やましい気持ちになり、君に合わせる顔がないと思ったり、反省したり。
君のことばかり考えていた。
今は、笑顔を向けてくれる君が傍に居る。
嬉しくてしょうがない。
会いたかった君に会えている。
会いたかった分だけ、今が楽しい。
そして今も、君に会いたい。
明日が待ち遠しい。
明日のデートを待ちわびながら、君にメッセージを送る。
おやすみを言った後も、名残惜しく君のメッセージを見つめて。
『好きだよ』と呟いた。
『閉ざされた日記』
彼の部屋の引き出しを開けたら、日記らしきものを見つけてしまった。
それも鍵が付いている!
なにこれ、気になる。彼はふだん、どんなことを書いてるんだろう。
彼に訊いてみた。
「日記?あぁ、あれ。あれは……秘密のポエムを書いてる。」
(ひみつの、ポエム……!)
私が笑いながら見せて!とせがむと、
「やだよ。恥ずかしいから。」
と、見せてはくれない。
「えー!見たい!めっちゃ気になる!」
彼にそんな隠し事があったとは。
後日。日記の端をちょっとだけ捲ってみると……
私の名前がチラリと見えた。
(私のこと書いてるんだ。)
ちょっとだけドキドキして、ちょっとだけ嬉しかった。
私も日記に、秘密のポエムを書こうかな。
彼との思い出と共に。
『木枯らし』
凍えるような風が髪をなびかせていく。
夜道、駅から歩いて帰宅する途中、一人。
耳が寒すぎて、この前買ったイヤマフをつけた。あったかい。これは買って正解だった。寒さが全然違う。鼻や頬はマスクで覆ってるから良いとして、耳もやっぱり防寒が必要だ。
なんとなく心細い帰り道、耳を塞いでいるから木枯らしが遠く聴こえる。
風の音に紛れて、通知音が鳴った。メッセージが来てる。
『寒いね~』
彼も寒いらしい。今ごろ同じように凍えてるのかな。
そんな彼にもイヤマフを買ってあげようかと思い、クスッと笑った。お揃いのイヤマフでペアルック(笑)
心が温まった。
美しさなんて、私には縁がないと思ってた。
彼氏が出来るまでは。
自分のためじゃなくて、相手を意識することで初めて「綺麗になりたい」と思った。
ありのままなんかじゃなくて、今よりもっと綺麗になりたい。
愛されるためじゃなくて、彼にとって少しでも誇れるような、綺麗な彼女でありたい。
そんなことを願うようになった。
今までしなかった努力をして、ケアをして、お手入れして。
自己満足かもしれないけど、それで自分も誇れるような気がした。
だから、毎日見えない努力をしてる彼女のことは、褒めてあげて欲しい。
『綺麗だね。』って。
男性諸君。
大事なポイント。
愛される男性は、褒め上手だと思う。
それに見合うくらい、努力もして欲しいけど。
『美しい』