【色とりどり】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】
1/1 PM 2:32
「ドリンクバーも、こう見ると
バリエーションが豊富だよな。
コーヒーと紅茶だけで何種類あるんだ?
ひとまず、古結(こゆい)がアップルティーで…」
「宵はカフェオレ」
「カフェオレ…カフェオレ…。
――カフェラテとカプチーノとカフェモカは
あるのにカフェオレがないな」
「ああ、その中ならカフェラテ」
「俺には違いがさっぱりわかんねーわ……」
「天明(てんめい)はホット? アイス?」
「俺はアイスウーロンにしとく。
真夜(よる)は?」
「水」
「こんだけ色とりどりあるのに水か……」
【雪】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】
1/1 PM 2:30
「飲み物尽きそうだな。ドリンクバー行ってくる」
「……天明(てんめい)、オレも行く。
暁、何がいい?」
「アップルティーでお願いします!」
「了解」
「……? 宵のは聞かなくていいのか?」
「聞かなくても分かるから」
「おー、さすが双子」
「じゃあ、真夜(よる)くんと天明くんが
戻ってくるまでちょっと休憩~。
楽しいねぇ、冬ソング縛り」
「まだ続ける気?」
「だって名曲揃いで歌うのも聞くのも
テンション上がるんだもん。
やっぱり冬って寒いから、温もりを求めて
素敵な恋の歌が出来やすかったりするのかな」
「どうかしらね」
「それにしても!
天明くん、歌うま過ぎない?
『粉雪』も『Lovers Again』も原キーで
余裕で歌いこなしてたよ!
音域どうなってるの!」
「……なんで怒ってるのよ」
「だってイケメンで背が高くて運動神経良くて
性格良くて歌までうまいなんて……正直、
とんでもない欠点のひとつやふたつあって
欲しくなっちゃう」
「理不尽な……」
「大変……宵ちゃんがもうメロメロに骨抜きに
されて天明くんの味方しかしてくれない……」
「…っ、メロメロにも、骨抜きにもされて
ないし、味方をしたつもりもないわ」
「冗談だよ~。天明くんの歌には感動したけど、
わたしにとっての最高得点は宵ちゃんの
『雪の華』と真夜くんの『ヒロイン』だしね」
「……暁の『White Love』も良かったわよ」
「やったぁ。……でも確かにそろそろ冬ソング
ストックが切れそうかも。
もうボカロを入れるしか……」
「アタシと真夜はアンタに聞かされてきたから
ある程度わかるけど、槇(まき)くんは
全然知らないかもしれないわね」
「いっそ天明くんをボカロ沼にはめたいんだよ。
歌って欲しい曲が多過ぎて」
「……メロメロなの、暁の方じゃない……」
【君と一緒に】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】
1/1 PM 1:00
(……何なの)
いつの間にか真夜(よる)と暁は
少し前方を歩いていて。
今、アタシの隣には槇(まき)くんがいる。
「あー…マジで旨かった。
あんだけ旨いと、他のも食ってみたくなるな」
全メニュー制覇はキツそうだけどな、と
明るく笑いながら言う。
「初詣の後は必ず行くんだろ。
それ以外で行くことってあるのか?」
「……気が向けば」
「じゃあ行く時はまた誘ってくれ。
さすがにひとりスイーツは勇気がいるし」
「え?」
「ん?」
「……槇くんは……、その、アタシたちに
付き合わされるの……迷惑じゃないの?」
「ははっ、何だそれ。宵たちと一緒にいるの、
俺は楽しいだけだよ」
「……そう」
アタシは……キミと一緒にいるのが苦手。
身体が緊張して変に力が入ってしまう。
呼吸がおかしくなってクラクラする。
鼓動がどんどん早くなる。
――いつもの自分でいられなくなる感覚。
それがとても苦手、なのに。
甘いものが嫌いじゃないということを
新たに知ってしまった。
アタシたちといる時間が嫌ではないことも。
【冬晴れ】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】
1/1 PM 1:00
(……いい天気だ)
冬の晴れた空は嫌いじゃない。
冷えた空気。
澄んだ青。
「キレイだね~」
いつの間にか隣に並んで、
空を見上げながら暁が言う。
「なんでかな、夏より冬の方が絶対
空の色キレイだよね、真夜(よる)くん」
冬の空の方が綺麗に見える理由。
説明出来ない訳ではなかったけれど、
本気で知りたいと思ってないだろうから、
「そうだな」と同意だけしておいた。
少し後方には、天明(てんめい)と二人きりに
されて、うろたえている宵がいる。
【幸せとは】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】
1/1 AM 11:50
「さてさて~、神様へのお参りも済んだし、
おみくじも引いたし。
天明(てんめい)くんはこの後なにか予定ある?」
「この後? いや、なんもない」
「じゃあ、わたしたちが初詣の後必ず行く
甘味処があるんだけど、一緒にどう?」
「おー、いいな。腹減ってきたし」
「宵ちゃーん、真夜(よる)くーん。
天明くんもこの後OKだってー!」
「……暁はどこまで槇(まき)くんを連れ回す
つもりなの……」
「……さぁ? 別に天明も嫌がってるようには
見えないし、いいんじゃないの」
1/1 AM 12:05
「いらっしゃいませー。
4名様、こちらのお席へどうぞー」
「待たずに入れて良かったね~。
天明くん、はい、メニュー」
「サンキュー。…うわ、これどんだけあるんだ」
「メニューの豊富さがウリなので!」
「いやでも、ありすぎて逆に悩むレベルって
いうか……オススメってあるか?」
「カレーセット!」
「……甘味処だよな?」
「隠しメニューです」
「隠しもあるのか……。
真夜と宵はなんにするんだ?」
「お雑煮」
「おしるこ」
「迷いが一切ないな」
「二人はいつも同じオーダーだから。
わたしは今日はクリームあんみつの気分」
「あー……、じゃあ俺はオススメの
カレーセットと抹茶パフェで。
セットのドリンクはコーヒー」
「お、いくね~。
すみませーん、注文お願いしまーす」
「じゃあ、頼んだものが来るまで
レッツトーク。テーマは『幸せとは』」
「頼んだものが来るまでに考えるには
テーマが難(ムズ)くないか……?」
「え? そう? 真夜くんどーぞ」
「宵が毎日健康で楽しく生きてること」
「うんうん、安定のシスコンっぷりで
癒されるねぇ。……こんな感じで、
脊椎反射で思い付いたことでいいんだよ?」
「……暁。人に聞いてばかりいないで、
アンタの答えも示したらどうなの?」
「ふふふ、楽勝だよ宵ちゃん。
幸せとは、星が降る夜と眩しい朝が
繰り返すようなものじゃなく、
大切な人に降りかかった雨に
傘を差せる事なんだよ……」
「堂々とback numberのパクリじゃない」
「名曲だよねぇ。
もうカラオケに行くしかない流れだよねぇ」
「強引が過ぎるでしょ……」
「……どうする? 天明」
「いやもう、こうなったらどこまでも
付き合うけどな」
「ありがとー、天明くん。
今日はまだまだ楽しくなりそうだね、
宵ちゃん」
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おみくじ結果(という体のフルネーム表示)
星河 宵 吉
古結 暁 大吉
星河 真夜 中吉
槇 天明 大吉