紗夢(シャム)

Open App
1/9/2023, 12:20:35 AM

【色とりどり】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】

1/1 PM 2:32
「ドリンクバーも、こう見ると
 バリエーションが豊富だよな。
 コーヒーと紅茶だけで何種類あるんだ?
 ひとまず、古結(こゆい)がアップルティーで…」
「宵はカフェオレ」
「カフェオレ…カフェオレ…。
 ――カフェラテとカプチーノとカフェモカは
 あるのにカフェオレがないな」
「ああ、その中ならカフェラテ」
「俺には違いがさっぱりわかんねーわ……」
「天明(てんめい)はホット? アイス?」
「俺はアイスウーロンにしとく。
 真夜(よる)は?」
「水」
「こんだけ色とりどりあるのに水か……」

1/7/2023, 4:46:06 PM

【雪】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】

1/1 PM 2:30
「飲み物尽きそうだな。ドリンクバー行ってくる」
「……天明(てんめい)、オレも行く。
 暁、何がいい?」
「アップルティーでお願いします!」
「了解」
「……? 宵のは聞かなくていいのか?」
「聞かなくても分かるから」
「おー、さすが双子」

「じゃあ、真夜(よる)くんと天明くんが
 戻ってくるまでちょっと休憩~。
 楽しいねぇ、冬ソング縛り」
「まだ続ける気?」
「だって名曲揃いで歌うのも聞くのも
 テンション上がるんだもん。
 やっぱり冬って寒いから、温もりを求めて
 素敵な恋の歌が出来やすかったりするのかな」
「どうかしらね」
「それにしても!
 天明くん、歌うま過ぎない?
 『粉雪』も『Lovers Again』も原キーで
 余裕で歌いこなしてたよ!
 音域どうなってるの!」
「……なんで怒ってるのよ」
「だってイケメンで背が高くて運動神経良くて
 性格良くて歌までうまいなんて……正直、
 とんでもない欠点のひとつやふたつあって
 欲しくなっちゃう」
「理不尽な……」
「大変……宵ちゃんがもうメロメロに骨抜きに
 されて天明くんの味方しかしてくれない……」
「…っ、メロメロにも、骨抜きにもされて
 ないし、味方をしたつもりもないわ」
「冗談だよ~。天明くんの歌には感動したけど、
 わたしにとっての最高得点は宵ちゃんの
 『雪の華』と真夜くんの『ヒロイン』だしね」
「……暁の『White Love』も良かったわよ」
「やったぁ。……でも確かにそろそろ冬ソング
 ストックが切れそうかも。
 もうボカロを入れるしか……」
「アタシと真夜はアンタに聞かされてきたから
 ある程度わかるけど、槇(まき)くんは
 全然知らないかもしれないわね」
「いっそ天明くんをボカロ沼にはめたいんだよ。
 歌って欲しい曲が多過ぎて」
「……メロメロなの、暁の方じゃない……」

1/7/2023, 12:19:53 AM

【君と一緒に】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】

1/1 PM 1:00

 (……何なの)
 いつの間にか真夜(よる)と暁は
 少し前方を歩いていて。
 今、アタシの隣には槇(まき)くんがいる。

「あー…マジで旨かった。
 あんだけ旨いと、他のも食ってみたくなるな」

 全メニュー制覇はキツそうだけどな、と
 明るく笑いながら言う。

「初詣の後は必ず行くんだろ。
 それ以外で行くことってあるのか?」
「……気が向けば」
「じゃあ行く時はまた誘ってくれ。
 さすがにひとりスイーツは勇気がいるし」
「え?」
「ん?」
「……槇くんは……、その、アタシたちに
 付き合わされるの……迷惑じゃないの?」
「ははっ、何だそれ。宵たちと一緒にいるの、
 俺は楽しいだけだよ」
「……そう」

 アタシは……キミと一緒にいるのが苦手。

 身体が緊張して変に力が入ってしまう。
 呼吸がおかしくなってクラクラする。
 鼓動がどんどん早くなる。

 ――いつもの自分でいられなくなる感覚。
 それがとても苦手、なのに。

 甘いものが嫌いじゃないということを
 新たに知ってしまった。
 アタシたちといる時間が嫌ではないことも。

1/5/2023, 5:36:20 PM

【冬晴れ】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】

1/1 PM 1:00

 (……いい天気だ)
 冬の晴れた空は嫌いじゃない。
 冷えた空気。
 澄んだ青。

「キレイだね~」

 いつの間にか隣に並んで、
 空を見上げながら暁が言う。

「なんでかな、夏より冬の方が絶対
 空の色キレイだよね、真夜(よる)くん」

 冬の空の方が綺麗に見える理由。
 説明出来ない訳ではなかったけれど、
 本気で知りたいと思ってないだろうから、
 「そうだな」と同意だけしておいた。

 少し後方には、天明(てんめい)と二人きりに
 されて、うろたえている宵がいる。

1/4/2023, 4:06:36 PM

【幸せとは】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】

1/1 AM 11:50
「さてさて~、神様へのお参りも済んだし、
 おみくじも引いたし。
 天明(てんめい)くんはこの後なにか予定ある?」
「この後? いや、なんもない」
「じゃあ、わたしたちが初詣の後必ず行く
 甘味処があるんだけど、一緒にどう?」
「おー、いいな。腹減ってきたし」
「宵ちゃーん、真夜(よる)くーん。
 天明くんもこの後OKだってー!」

「……暁はどこまで槇(まき)くんを連れ回す
 つもりなの……」
「……さぁ? 別に天明も嫌がってるようには
 見えないし、いいんじゃないの」

1/1 AM 12:05
「いらっしゃいませー。
 4名様、こちらのお席へどうぞー」
「待たずに入れて良かったね~。
 天明くん、はい、メニュー」
「サンキュー。…うわ、これどんだけあるんだ」
「メニューの豊富さがウリなので!」
「いやでも、ありすぎて逆に悩むレベルって  
 いうか……オススメってあるか?」
「カレーセット!」
「……甘味処だよな?」
「隠しメニューです」
「隠しもあるのか……。
 真夜と宵はなんにするんだ?」
「お雑煮」
「おしるこ」
「迷いが一切ないな」
「二人はいつも同じオーダーだから。
 わたしは今日はクリームあんみつの気分」
「あー……、じゃあ俺はオススメの
 カレーセットと抹茶パフェで。
 セットのドリンクはコーヒー」
「お、いくね~。
 すみませーん、注文お願いしまーす」

「じゃあ、頼んだものが来るまで
 レッツトーク。テーマは『幸せとは』」
「頼んだものが来るまでに考えるには
 テーマが難(ムズ)くないか……?」
「え? そう? 真夜くんどーぞ」
「宵が毎日健康で楽しく生きてること」
「うんうん、安定のシスコンっぷりで
 癒されるねぇ。……こんな感じで、
 脊椎反射で思い付いたことでいいんだよ?」
「……暁。人に聞いてばかりいないで、
 アンタの答えも示したらどうなの?」
「ふふふ、楽勝だよ宵ちゃん。
 幸せとは、星が降る夜と眩しい朝が
 繰り返すようなものじゃなく、
 大切な人に降りかかった雨に
 傘を差せる事なんだよ……」
「堂々とback numberのパクリじゃない」
「名曲だよねぇ。
 もうカラオケに行くしかない流れだよねぇ」
「強引が過ぎるでしょ……」
「……どうする? 天明」
「いやもう、こうなったらどこまでも
 付き合うけどな」
「ありがとー、天明くん。
 今日はまだまだ楽しくなりそうだね、
 宵ちゃん」

 ==================
 おみくじ結果(という体のフルネーム表示)
 星河 宵  吉
 古結 暁  大吉
 星河 真夜 中吉
 槇 天明  大吉

Next