お題 : どこ?
『あの、お兄さん』
「…はい?」
背中から幼い女の子らしき声が聞こえ、ふと振り返る。声から予想していた通り、それは想像していた通りの少女だった。
ただ、その要件が怖かった。
『私のカラダ、どこに行ったか分かりませんか?』
「………え?」
背筋がその場で凍ったのを覚えてる。
体?体は、今自分自身が持っていて動かしているはず。ちゃんと人だよな?……うん、人だ。
パニックになりながら、視線だけを動かして確認する。少女はそれ以上何か言うこともすることもなく、ただ固まっている。それが余計怖い。
「……君が今動かしている体は、君のじゃないのか?」
何を言っているのか、自分でも理解ができないが。確かこう言ったのを覚えてる。
それ以降、少女は急に消え、姿も見ていない。
「……そりゃ完全に憑いてますよ、"悪霊"とやらが」
「え、憑いてるんですか?」
「えぇ。うちの親から聞いた"強大な悪霊"の話と、貴方の話。完全に一致してます。ほんとうに危ない"霊"なので、ご気を付けて。」
「なるほど、ありがとうございます。……あの、最後に聞きたいことがあるのですが」
「はい?」
『僕のカラダ、どこに逝ったか分かりませんか?』
お題 : 大好き
本日私(Shina#47)、卒業させていただきました。
仲間との別れが悲しいわけでもなく、新生活が嫌なわけでもなく。
先生との別れが本当に1番嫌で。
でも言葉って直接伝えるのが本当に難しいので、全部手紙に込めて渡すつもりで書いたんです。
それぞれの違うクラスの担任の先生にも渡して、自分の担任の先生に渡す前に写真を撮って。
それから色々お話をしてくれた時に、先生が泣いていて貰い泣きしてしまって………。
それでも手紙は渡せたので、悔いはないと言える卒業式にもなりました。
いや、嘘です。一つあるかもしれません。
直接言うのはもちろん、手紙にも恥ずかしくて書けなかったことが一つあります。
そう、お題の通りの、” 大好き ”って言葉です。
「言っておけばよかった」という、少しの後悔がこれです。
今も本当に実感がないのですが、お母さんが撮ってくれた先生との写真を見返す度「もう終わりなのか」という謎の余韻に浸っています。
とにかく今の目標は、先生が黒板に書いていた” 成人したらまた会おう ”ということを希望にして、会えた時胸を張って「今の自分が好き」「先生のことをずっと覚えていた」そして「大好き」と言えるように、中学校も頑張らせて頂きます。
今でも泣こうと思えば泣けられます。
また明日も、その先も。Shina#47をよろしくお願いします。
” 卒業式まであと0日 ”
お題 : 叶わぬ夢
あ、どうも。作者の方(Shina#47)です。
実は明日卒業式でして…………。
心情としては、これまで色々書いてきた通り。
” いやああああああああああ卒業したくない!!!! ”
が本心です。
今回もそれテーマで書こうとしたのですが、普通に時間が無い。
とりあえず更新も遂げたくなかったので、これで保存させていただきます。
時間過ぎるの早すぎますね。1秒だけでも止まることで、世界少しでも変わるというのに。
これこそが私の思う”叶わぬ夢”です。
それでは、明日旅立ってきます。
” 卒業式まであと1日 ”
お題 : 花の香りと共に
卒業式、先生に花を送る人とかはいるのだろうか。
明日、違う学校の友達は卒業するのだけれど、どうやらそのクラスみんなで花を先生に送るらしい。
それを聞いて、ふと考えたこと。
まぁ花を送る人はいなくとも、どうせ退場する時に一度は花を持つことには変わらないのだが。
それを私は見つめるだけで、花を抱える先生を見送るだけで。
その貰った花から香る匂いを知ることはできないし、なんの花があるのかを知ることもできない。
私が知るのは、先生に送ることが出来るのは手紙だけ。
ただ、その事実から出る醜い感情を美しく捕らえると考えるなら、少しは楽になるのだろうか。
そうして考えるとするのなら。
そうやって抱えていた花と共に、私の手紙を添えて。
「こんな生徒も居たな」と何十年経っても探していて欲しい。
…………いや、これは美しい考え方か?
自身が思い浮かべた考えに疑問を持ちながら、来て欲しくない明日に備えて眠る。
嗚呼、私もうすぐ卒業するんだなぁ。
ただ、変わらない考えを持ちながら。
” 卒業式まであと2日 ”
お題 : 心のざわめき
「もうすぐ卒業だし、手紙書こっかな〜」
『いいじゃん。私も書こっかな』
『……あ、待って。お風呂入れって言われたの忘れてた。それじゃ私入ってくるね、また後で』
「はいはーい!また後で」
ガチャン。
通話をして思い出話に花を咲かせていたところに、無音の空間が広がる。
さて、手紙。今のうちに書いちゃおう。
レターセットはつい先日に買っていた。書く内容は決めてないけど。
ボールペンをカチカチしながら、頭に浮かんだことを整理する。あれは絶対書く。あ、これはどうしよう。書いた方がいいかな。
そうしてる間にも時間は止まってくれない。
ずっと進む。
明日は月曜日。
明日、卒業式に渡せるか分からない先生たちには渡す。
そして各クラスの担任の先生には、卒業式に渡す。
…………それでもう終わり。
それ以上何かある訳でもないし、何も無いわけでもない。
ただ、私の最後の恋は終わる。
「あー、卒業嫌だなぁ…」
心の動悸を紛らわすように、無音な空間に私の独り言が響いた。
” 卒業式まであと3日 ”