「冬晴れ」
今朝の空は、見渡す限りの淡い水色に染め上げられていた。雲が一つも見当たらず、朝日の光が空全体に広がっている。冬の冷たい空気は澄んでいて、少しだけ鼻をツンと刺激した。
こんなに清々しい朝は、普段なら散歩日和だと喜んでいたかもしれない。でも、今はそんな気分にはなれない。明るくきれいな景色と空気が、私の心の闇の存在を強調するかのようで苦しい。空を暗く覆い尽くして、冷たい雨や静かな雪でも降っていたならよかったのに。
どうして空模様はいつでも私の心を嘲笑うのだろうか。
「幸せとは」
あなたにとっての幸せってなんだろう。
私にとっての幸せは、あなたと空間と時間を共有し、穏やかで平和な日々を過ごすこと。でも、あなたはどうだろうか。あなたも私と同じことを幸せだと思っているのかな。どれだけ共に月日を過ごしても、定期的に不安が訪れる。私はあなたを幸せにできているのか、私よりも他の人の方があなたを幸せにできるんじゃないか。そう考え始めると、止められなくなってしまう。
「あなたにとっての幸せは?」
「私と一緒で幸せ?」
いつかちゃんと、面と向かってあなたに聞けたらいい。
「日の出」
暖かな布団から出て、ベランダを開けた。冷たい風が流れ込んできて自然と体に力が入る。空は白く輝き、太陽が少しだけ頭を出していた。間に合ったことに小さく安堵のため息をつく。少しずつ、けれど確かに明るくなっている。太陽が完全に姿を現すまでのわずかな時間が、ひどく長く感じた。肌を刺す冷たい空気が消え、風や鳥も声を顰めて静寂が訪れる。自然と涙がこぼれ落ちた。
どうか、この日の出が君の心も照らしてくれていますように。そっと手を合わせて、再び仰ぎ見た空はもう蒼く澄んでいた。
「今年の抱負」
「ねぇ、今年の抱負ってなににするの?」
手帳を開きながら君が尋ねる。今年の抱負は君にプロポーズすることだって言ったら、君はどんな反応をするのだろうか。君のことだからきっと、声をあげて驚いて、笑って涙を流してくれるのだろう。想像して笑っていると、不思議そうに君が顔を覗き込んでくる。
「内緒だよ。君は?」
「ふーん、内緒か。じゃあ私も内緒!」
イタズラっぽく笑う君を見て、僕の今年の抱負がもう一つ追加された。
今年の抱負は、君にプロポーズすること、そして、この幸せな時間を守ることだ。
「新年」
あと数分で、日付が変わって新たな年を迎える。私はスマホを手に取った。
今年は、君への気持ちから目を背け、自分で自分の気持ちをはぐらかしていた。けれど、来年は君への気持ち、そして君自身としっかり向き合い、想いを伝えると決意した。
向き合うならば早い方がいい。先延ばしにするとまた逃げてしまう。だから私は日付が変わってすぐにメッセージを送れるように準備した。そこには、新年の挨拶と初詣の誘いが綴られている。
勝手に震えてしまう指を押さえながら、その瞬間を待った。