もも

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1/20/2024, 2:40:57 AM

君に会いたくて
僕はいつもの道を走り出す。
なんの変哲も無い通学路だけど、君に会えるってわかれば全てが輝いて見えるんだ。
いつものつまらない授業だって楽しいものに変わる。
学校までの道のりを走り終えた先、いつもの教室で君は今日もおはようなんて待っててくれるかな?
早く会いたい。
昨日いいことが有ったんだと伝えたいんだ。

はずむ息を押さえながら降りる歩道橋。
突然現れた鳩に僕の視界はぐにゃりとひっくり返った…。

1/18/2024, 11:05:47 AM

『閉ざされた日記』

ここに一冊の日記があるわ。
ある貴族の男が書いた鍵付きの日記。
不運にもこの日記を書いた男は日記の鍵を持ったまま事故にあって、急な崖下に落ちてしまったの。
だからこの日記の鍵はもう見つからない。
何でも日頃からこの日記にはとても重大な事が書いてあるから決して覗かないように、もし私に何かあったらこのまま燃やしてしまいなさい。
って言っていたそうよ。
残された家族はそう言われていたからどんな事が書いてあるのかとっても気になったのね。
遺産についてだ。とか、ある別の貴族の重大な秘密だ。とか、色々と憶測が飛び交って次第に皆それが本当の事だって重大な秘密を手に入れるのは自分なのだと争い始めてしまったの
鍵を壊せば済む話だ!ですって?
ええ。そうね。
だけどどれだけ頑丈な金槌で殴っても、どんな凄い鍵師が開けてみようともこの日記は絶対に開かなかったの。
だからこそ、本当に大事な事だって考えたのでしょう。
醜い争いは続いたわ。
それこそ最後の一人になるまで。
騙して、騙されて、最後に残ったのはこの家に長年勤めていた執事だった。
長い事勤めていたのだから亡くなった旦那様のものは頂いてもいいなんて考えて、やっと日記を手に入れた時。

不思議な事に日記の鍵はすんなりと開いてあんなに見たかった中が簡単に見れたわ。

日記には長年勤めていた旦那様の字で最初のページから最後から2番目までのページまでずっと家族、使用人、友人そして…長年勤めていた執事について感謝が述べられていたの。

執事は日記に書かれた事を読んで、あんなに厳しくて一言も感謝なんかしたことが無い旦那様がまさかこんなとこで感謝を述べていたなんてと、日記を抱えたまま涙を流してうなだれたわ
こんな事が書かれていたと皆に見せたいのに自分が全てを消してしまったからもうそれも出来ない。
ただ誰もいない屋敷に執事のむせび泣く声が響いただけ。

貴族の男はただ恥ずかしかったのね。
普段は感謝をすれば威厳が下がるなんて思っていたから、心やさしい自分は日記に閉じ込めたの。
こんな結末になってしまったのは
それを見抜けなかった屋敷の者のせいなのかしら?
それとも
素直になれなかった貴族の男のせいなのかしら?

1/17/2024, 11:07:05 AM

『木枯らし』

これは少し前の秋の事。
赤や黄色で染まる神社を一人で散歩していた時のお話です。
一面真っ赤に染まった境内はその色と、神社というか独特な神聖な空気にまるで異世界にでも行ったかのような不思議な雰囲気がありました。
あまり人に知られていない神社ということもあり、境内を歩く人は私一人。
この不思議な場所に一人きりな何ととも言えない優越感に浸りながら、いつも通りのお参りをしようとした時でした。
強い風が吹いたのです。
木枯らしが吹くなんて天気予報で言っていた位元々わりと風が強い日でしたがその風は、境内の紅葉を舞い上げてとても幻想的で思わず立ち止まって見入ってしまいました。

『もう、冬になりますね。』

ふと気づくと今まで誰もいなかった境内に一人の男性がた立って、舞い上がる紅葉を私と同じように見ていました。
向こうも今私に気づいたかのように顔を向けると何処か寂しそうに、私に微笑みを浮かべてきたんです
その男性は、酷く儚くてまるで今すぐにでも消えてしまいそうなくらい美しい人で、そんな人と初めて話す私は少しだけどぎまぎとしてしまいました。

「ほ、本当ですね。どんどん寒くなっていきます。
で、でも私は冬も好きなんですよ。雪かきは苦手ですけど、雪は綺麗ですし何より全てがお休みする大事な時期だと思うんです!
休んだあとまた春になるとお花も咲きますし、それもまた楽しみで…!」

だからか凄くどうでもいいような聞かれてない事まで答えてしまって、それが恥ずかしくなって更に慌てると男性は驚いた表情をしながら優しく笑っていました

『…冬も無駄にならないということですか?
…あなたみたいな方がいて嬉しいです』

その姿がやはりとても綺麗で見入っていると、また境内に強い風が吹きあまりの風の強さに思わず目を閉じると、次にはもうその男性はいませんでした。
私は何か幻でも見ていたのかまるで狐につままれた気分になりながら、目的のお参りを済ませてしまおうと慌てて足を進めようとした時

『ありがとう』

もう一度紅葉が舞い上がり先程の男性の声でそんなふうに聞こえた気がしました

木枯らしが吹くある秋の日の不思議な体験です。
あの男性は一体誰だったのでしょうか。

1/16/2024, 1:34:39 AM

この世界は理不尽だ。
なんの努力をしなくたって運だけで登っていく奴も居る。
逆にどんなに努力をしたって常に底辺に居る奴も居る。

この世界は嘘だらけだ。
少なからず嘘をついたこと無いなんて人はいないだろう。
良くも悪くも嘘が混じる

それでもこの世界に生きるのは、貴方がいていいよって言う数人がいるから。

頑張ったら頑張っただけ認めてくれる人がいるから。

この世界は嘘だらけで理不尽だが、愛があって優しい

1/14/2024, 10:14:19 AM

『どうして』

Tさんへ
ずっと手紙を書きたかったんですが、貴方がいた頃僕の頭に手紙を書くなんて考えがなくてかけませんでした。
あの時もし少しでも手紙がかけれたら貴方は僕の側に居て、僕が作ったクッキーを一緒に食べてくれてたんでしょうか?
皆んなはもういなくなった人なんだから忘れたらいいよなんて言いますが、初めて僕を可愛いと、好きだと言ってくれたら貴方が僕は本当に忘れられません。
あの日からなんか僕は少し壊れてしまったきがします
それまでは穏やかに皆と話が出来ていたのに、今では貴方みたいにいつか消えてしまうのでは、僕の何かが合わないと言われるのではと不安がずっと胸にあります。

ただ、貴方に貰った物もおおいんです。
優しい言葉、暖かい気持ち、穏やかな場所。
全部いい思い出になりつつあって一時期でも貴方と話せた事がこんなにも幸せだったんだなって女々しくも泣きそうになってます。
もっと貴方に好きですって言っておけば良かった。
ありがとうって感謝を伝えて置けば良かった
後悔ばかりが浮かんで、ずっとどうして?どうして?と叫びたくなりますが、消えた理由は貴方にしかわからない。
飽きた。と聞くよりはまだ何も言わず居なくなってくれた方が良かったのでしょう。

今後貴方以上の人が見つかるかわかりません
けれど前に頑張ってもう少しだけ進んでみようと思います。
幸せになってればいいな。

sより

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