たまには書かないとね。
最近何も書いてない。
でも書く事を無理にしちゃうと疲れて嫌いになっちゃいそうだから、このペースが一番なのかも。
これからも、とびきり好きを詰め込んだ文章。
たまにでもいいから書きたいな。
【欲望】
あの人が似合うからあれも欲しい。
あの人がおすすめていたからあれが欲しい。
手に入れたら次の物。
また手に入れたら次の物。
どんなに手に入れたって欲望は絶えない。
本当に欲しい物か分からないまま次から次へと欲しくなる。
あの人になれる気がして。
あの人に近づける気がして。
まだまだどんどん手を伸ばす。
私は私であってあの人ではないのに。
そんな事理解しているのに。
暗闇のどん底にいる私は。
輝くあの人になりたい欲望が潰えない。
『枯葉』
学校帰り友達のみよちゃんと歩いた木枯らしか吹き始めた秋の思い出。
私達の帰り道、ある路地に行くと必ずおじいちゃんがしゃっしゃっとリズミカルな音を立てて箒で地面を掃いているお家があった。
大きな通りから風が入り込む裏通りの突き当たりにあるおじいちゃんの家。ちょうど通りの街路樹の落ち葉の吹き溜まりになってしまって、毎日掃除をしないと門が葉っぱで埋もれてしまうんだ。って帰りがけに質問した私達に優しい笑みで嫌な顔ひとつせずおじいちゃんは教えてくれた。
確かに枯葉の量は多くて、毎日片付けないと次の日にはもっと大変になっちゃうなと思ったのは今でも覚えてる。
しかも、おじいちゃんは腰が悪いのかいつも腰を叩きながらなんとか片付けをしていた。
「あんないっぱいあるとおじいちゃんも大変だよね…。」
「うん…。今日はおじいちゃん腰も痛そうだった。」
おじいちゃんから話を聞いた次の日。
いつものようにみよちゃんと帰っていると、おじいちゃんの家の側に近づくに連れて昨日のおじいちゃんの様子が思い浮かんでなんとなくそう口にしてしまっていた。
するとみよちゃんも同じ気持ちだったのか悲しそうな表情で頷き返して、直ぐさまひらめいた様子で直目を大きく開いてあ!と声を上げた。
「なら私達で手伝おうよ!私達がやればおじいちゃんも腰痛くないし。」
「うん!そうしよう」
みよちゃんの提案は何故自分はそれを思いつかなかったのかと思うほど魅力的で大きく同意し、私達はおじいちゃんの家に向かった。
おじいちゃんはこの日も腰を労りながらせっせと掃き掃除をしていたので思い切って声をかけてみると、嬉しそうに「ありがとう。」と笑ってくれた。
みよちゃん、おじいちゃん、私でお掃除をすると落ち葉はあっという間に減り、いつもの半分で片付いたよとおじいちゃんも喜んでくれて。
「手伝って良かったね。」
「うん!」
待っていてと家の中に入っていくおじいちゃんの背中をみながら、2人で良いことをしたんだという満足度を得て、小さく笑いあった。
「今日はありがとう。これは、手伝ってくれたお礼だよ。おじいちゃんはもう少ししたら引っ越しをするんだ。最後にこんな可愛いお手伝いさんが居てくれておじいちゃんうれしかったよ。」
優しく声をかけながら戻って来たおじいちゃんの両手にはお菓子がたくさん入った袋があって、私とみよちゃんに一つずつ渡しながらそう口にする。
おじいちゃんは息子さんとこれから過ごす事になり、近々引っ越すのだという。私達くらいの歳のお孫さんが居て会えるのが嬉しいなんて教えてくれた。
おじいちゃんが居なくなるのは寂しかったけど、そんな嬉しそうなおじいちゃんをみるのは私達も嬉しくて、帰り道みよちゃんとおじいちゃん楽しければいいね。なんて話していた。
あれから数年が経った。
私もみよちゃんも大人になり、みよちゃんとは今でも月一回あってお話をしている。
久しぶりにおじいちゃんの家の前を通れば、おじいちゃんが住んでいた家は新しい家族が住んで、小さい子がお母さんのお手伝いをしながらあのときのおじいちゃんと同じ音をたてながら落ち葉を片付けている姿が目に入って、おじいちゃんが今どうしているかはわからないけれど、きっと喜んで居るんだろうななんて一人頬を緩めた。
『お気に入り』
昔からお気に入りは大切に箱にしまっていた。
ぬいぐるみ、可愛い文房具、友達からもらったプレゼント。
大切に大切にしまい込んで自分だけ眺めて楽しんでいた。
大切なものだから誰にも触れられたくなくて、汚されたくないと思うのは当たり前でしょう?
私の大切なものなんだもの。
少女から私も大人になったけどその思いは変わらない。
恋から愛に変わっていつの間にか旦那はそこまでお気に入りじゃなくなったけど、2人の間に産まれた宝物は別。
大切に箱に入れていつまでもいつまでも側に置いておくの。
だって私の世界一のお気に入りなんだもの。
『スマイル』
「ねぇ知ってた?
他人から笑顔を奪うのは誰でも出来る。だけど、他人に笑顔を作らせるって簡単そうに見えて難しい。」
「え?」
放課後帰り道が一緒になったクラス1のお調子者の男の子。
クラスに馴染めない私の前に立つと、突然真面目な顔をしてそう顔を覗きこんできた。
「全然笑わないから。人って笑わないとどんどん暗くなる。そうなると周りは関わりにくいって近づいて来ないんだ。」
そんな表情を私は見たこと無かったから今でもあの表情を覚えている。
「そう…なの?」
「おう。俺がそう。昔恥ずかしくて何にも話せなくてうじうじしてたら周りか遠ざかった。でも、ちょーっとバカな事したら周りは笑うし、ギスギスする事も無くなったんだ。だからかなり信憑性ある。」
「嘘…。全然想像つかない。」
「やろう?へへっ、俺ちょーっと頑張った。将来はもーっといろんな人を笑わせて、しょうもないなーって元気になって欲しいんだ。お笑い芸人かちょっと夢だったり。あ、皆には内緒やで?だから…馴染めなくても俺を利用していいから諦めんなよ?」
意外な彼の言葉に目をまんまるくしてると照れくさそうに鼻を掻きながら「じゃあな!」なんて彼は走って行ってしまった。
それから彼の姿を見かけるたび彼は私を笑わせるようになり、それに自然と笑っているうちにクラスの中の孤独は無くなった。
『ハイどうも~』
元気よくテレビに登場するお笑い芸人に引き込まれて私はあの頃と同じ様自然と笑いが漏れる。
皆に笑顔を作る。
夢をいまだ実行中の彼はいつまでたっても私の憧れ。