『仲間になれなくて』
輪に入れない自分は酷く惨めで哀れで。
全く興味のなかったアイドルを好きって言っていた。
全く興味のなかった化粧に興味を持ったふりをしていた。
本当は、ドラマ主演のかっこいいアイドルのよりも漫画の中のキャラクターのほうが断然かっこいいって思っているのに。
いつも一人で紙に向かっているなんてキモい。
根暗。
陰気。
直向きに頑張っている彼の悪口にも参加もしてしまった。
誰かを貶しても仲間がいるほうが断然安心したし、みんなが言っていれば言ってもいいなんて思ったから。
本当は、全然違うのに。
仲間はたくさんいるはずなのにいつも息が詰まる。
本当に哀れなのは大多数でいるほうがかっこいいって思っていた自分。
あんなやつの味方になるなら仲間になれないよ。
どんな風に言われたって構わない。
貴方の作品が大好きです。
そう言える本当の自分
大多数の仲間になれなくたって。
そのほうが世界が明るく見える。
『君と』いる毎日は
世界が輝いて見えて新しい発見と喜びに
日々新しい自分になっていく
『空に向かって』
両手いっぱい伸ばせばあの星が取れそうだと思ったから伸ばしつかもうとした。
いつしかそれは取れる物ではないと知った。
けれど、努力や工夫をすれば取れるものかもしれないと必死に伸ばした。
伸ばして、伸ばして…時には諦めて。
それでもどうしても取ってみたくて触れてみたくてまた伸ばし始めてみたりして。
人に笑われようと、誰よりも必死に伸ばしてるのに近づく事すら出来ていない気がする。
それは高く遠いけど。
絶対に諦めたくないから。
今日もまた両手いっぱい伸ばしてみようと思う。
『涙』
涙を忘れてもう数年。
いつの間にか泣きたくても涙が出てこない体になっている。
心は悲しがって、泣いてほしいって訴えかけてるのに表情はいつも無。
どんな悲しい映画を観たって全く動かない表情に、だからあいつはつまらない奴なんだと決めつけられて皆勝手に周りから居なくなる。
俺だってしっかり感動も、悲しみも、喜びも感じ取っているのに。
俺はいつになったら泣けるのだろうか?
いつになったら笑えるのだろうか?
何の感情も表情に出ないなら感情を言葉に素直に伝えればいい。
そう気づいたのは一年前。
丁度桜が満開だった頃。
久しぶりに見た満開の桜になんとも言えない気持ちになって表情には出なかったけど確かに涙を流していたから。
幸せ、嬉しい、悲しい、寂しい、辛い。
ありったけの涙を言葉にしていけばいつか本当に涙が流せる日が来るだろうか。
『願いが一つ叶うならば』
ここにある薬は飲めば何でも願いが叶うわ。
あなたが私に出逢えたって事は、強く何を叶えたいって想いがあるってことでしょう?
安心してちょうだい!
それが良心でも野心でも、私は願いを叶えたいって想いがある者なら特に軽蔑したり、批判したりしないから。
だから素直に叶えたい願いを言ってみなさいな。
けれど…。
何でもタダではだめよ。魔女との取引をしようっていうなら、何かしらの対価が必要だと思わない?
私も商売だもの、ボランティアはできないの。
あなたも…もちろんそれくらいの覚悟はあってここに来たわよね?
あなたはその願いを叶えるのに、私に一体どんな対価を払ってくれるのかしら?