もも

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『枯葉』

学校帰り友達のみよちゃんと歩いた木枯らしか吹き始めた秋の思い出。

私達の帰り道、ある路地に行くと必ずおじいちゃんがしゃっしゃっとリズミカルな音を立てて箒で地面を掃いているお家があった。
大きな通りから風が入り込む裏通りの突き当たりにあるおじいちゃんの家。ちょうど通りの街路樹の落ち葉の吹き溜まりになってしまって、毎日掃除をしないと門が葉っぱで埋もれてしまうんだ。って帰りがけに質問した私達に優しい笑みで嫌な顔ひとつせずおじいちゃんは教えてくれた。
確かに枯葉の量は多くて、毎日片付けないと次の日にはもっと大変になっちゃうなと思ったのは今でも覚えてる。
しかも、おじいちゃんは腰が悪いのかいつも腰を叩きながらなんとか片付けをしていた。


「あんないっぱいあるとおじいちゃんも大変だよね…。」
「うん…。今日はおじいちゃん腰も痛そうだった。」

おじいちゃんから話を聞いた次の日。
いつものようにみよちゃんと帰っていると、おじいちゃんの家の側に近づくに連れて昨日のおじいちゃんの様子が思い浮かんでなんとなくそう口にしてしまっていた。
するとみよちゃんも同じ気持ちだったのか悲しそうな表情で頷き返して、直ぐさまひらめいた様子で直目を大きく開いてあ!と声を上げた。

「なら私達で手伝おうよ!私達がやればおじいちゃんも腰痛くないし。」
「うん!そうしよう」

みよちゃんの提案は何故自分はそれを思いつかなかったのかと思うほど魅力的で大きく同意し、私達はおじいちゃんの家に向かった。
おじいちゃんはこの日も腰を労りながらせっせと掃き掃除をしていたので思い切って声をかけてみると、嬉しそうに「ありがとう。」と笑ってくれた。
みよちゃん、おじいちゃん、私でお掃除をすると落ち葉はあっという間に減り、いつもの半分で片付いたよとおじいちゃんも喜んでくれて。

「手伝って良かったね。」
「うん!」

待っていてと家の中に入っていくおじいちゃんの背中をみながら、2人で良いことをしたんだという満足度を得て、小さく笑いあった。

「今日はありがとう。これは、手伝ってくれたお礼だよ。おじいちゃんはもう少ししたら引っ越しをするんだ。最後にこんな可愛いお手伝いさんが居てくれておじいちゃんうれしかったよ。」

優しく声をかけながら戻って来たおじいちゃんの両手にはお菓子がたくさん入った袋があって、私とみよちゃんに一つずつ渡しながらそう口にする。

おじいちゃんは息子さんとこれから過ごす事になり、近々引っ越すのだという。私達くらいの歳のお孫さんが居て会えるのが嬉しいなんて教えてくれた。

おじいちゃんが居なくなるのは寂しかったけど、そんな嬉しそうなおじいちゃんをみるのは私達も嬉しくて、帰り道みよちゃんとおじいちゃん楽しければいいね。なんて話していた。

あれから数年が経った。
私もみよちゃんも大人になり、みよちゃんとは今でも月一回あってお話をしている。
久しぶりにおじいちゃんの家の前を通れば、おじいちゃんが住んでいた家は新しい家族が住んで、小さい子がお母さんのお手伝いをしながらあのときのおじいちゃんと同じ音をたてながら落ち葉を片付けている姿が目に入って、おじいちゃんが今どうしているかはわからないけれど、きっと喜んで居るんだろうななんて一人頬を緩めた。

2/19/2026, 1:08:43 PM