「通り雨」
降って来やがった
朝の予報より早かったな
傘は嫌いだが
コイツが濡れるのは嫌だ
コイツはコイツで
俺が汚れて帰るとコイツの同居人に怒られるからな
大人しく腕の中に収まって
楽して家路をたどるとするか
向こうの空が明るいから 通り雨だよと
僕は君に話しかけた
あの時 雨に濡れた君を見ながら
黙って通り過ぎるしかなかった僕が
想像の中でだけ飼うことにした君に
「秋🍁」
お題にまさかの自動入力絵文字
秋と🍁はセットなのね
実りの季節は何となく茶系のイメージで
チョコの新作も出て来る季節
良いですね
秋🍂
(うちの秋は🍂でした)
夏を生き延びて
ようやくの秋
この暑ささえ凌げばと耐えてきたけど
いざ涼しくなったら
何をしたら良いのかポカンと佇む自分がいます
美味しいものをたくさん食べて
行きたい所に行って
満喫しようね 秋
「命が燃え尽きるまで」
どこかで自分の命のろうそくが
燃えている
落語の「死神」のように
時々 炎が大きくなったり 消えかけたり
災害や戦争で沢山の火が消えた
暗闇にずらりと並ぶ蝋台の奥に残る
小さな灯火を 繋いで 繋いで
まだ火が点いたばかりの長い蝋燭に
寄り添って 半分の長さで2本
囲むように また数本
寄り添いあって 命を繋いでいる
愛おしいその灯の中に
私の灯火も 確かにあって
繋いで 繋いで 何処かの誰かも
照らす光になっている
「喪失感」
誰もが悲しんで悼んでいたけれど
本当は
この喪失感さえ
誰とも分かち合いたくなかった
自分こそが一番親しかったと思いたかった
でもお別れの時に
ご遺族ご近所の温かい輪にがっちりと
包まれているのを見て
私の存在なんてモブクラスだと思い知ったの
この痛みはなんだ
何故消えてなくならない
モブの分際で
何故いつまでも悲しい
手離せば楽になるのかな
一生会えなくなっても良いから
ずっと温かい輪の中で
元気でいて欲しかった
「踊るように」
自分の中にどす黒いものが滲み出てきたな
タイムラインに流れてくる批判の相手が
自分の事だと思ってしまう
発言者のアカウントをミュートしたり
また戻してみたり
ああいやだ
自分が嫌だ
もっとサラッと 上手に世の中を渡って行きたい
踊るように
歌うように
飄々と生きて行きたい
単純に暇だから
ネットに張り付いているのであって
お茶でも飲んで 流せば良いのだ
踊りながら
歌いながら
黒い自分ごと 愛せば良いのだ