4/10/2024, 10:33:38 AM
「春爛漫」
ぽん ぽん ぽん
ハンコを押して行くように
あちらこちらで花便り
乗り遅れまいと鶯も
随分と仕上げて来ているな
桜のパーツは組み立て終わり
葉桜を待つばかり
4/9/2024, 2:35:54 PM
誰よりも ずっと
自分だけは自分の味方でいたい
お前は今日も頑張ったと 言葉を掛けたい
誰かに一つ 勇気を分けて貰った
今日は私の為に使うけど
明日は 誰かに返したい
自分を自分で味方につけて
貴方はとても頑張ったねと
誇れる勇気で返したい
4/7/2024, 10:50:49 AM
「沈む夕日」
母方の実家に行った帰りには いつも
電車の窓からあかあかと下りゆく儀式に歓声を上げた
あの頃 座席の隣りには母がいた
学校へ上がる前の幼児が
駅の名前を十も覚える程には 頻繁に
何故いつも父の車ではなく
電車で里に帰っていたのか
遠い記憶を辿っても
母の表情は思い出せず
尋ねる相手も もう居ないが
夕日という言葉で思い出すのは
あの頃見ていた 窓から見える日没
4/6/2024, 10:31:32 AM
「君の目を見つめると」
ごめんね私、花粉症でさ
(うん 初耳だけどね)
元気でね。無理しないでね
(うん あなたもね)
落ち着いたら 顔見に来るからね
(多分あなたはもう ここには来ないでしょう)
最初で最後の泣き顔
この人はいつも笑顔しか見せなかった
明日からはもう見る事が出来ない笑顔を
失ってから惜しむのだ 私も皆も
4/6/2024, 8:33:09 AM
銀紙を貼った厚紙の月
信号が変わった瞬間に
ペダルを漕いでから
いつもの帰路で気付いた
なんでよ月まで私を馬鹿にしているの
どうせ夜空もベニア板なんでしょう
泣けてくる 泣けてくる
涙で周りが舞台の書き割りに見える
いっそ向こうの世界があるならば
ベニヤ板の向こうまで突き抜けたい
ブレーキをかけて自転車を降りた
月はまだ銀紙をまとって
こちらを見ている