―ありがとう、ごめんね―
『いってきます』
重い足取りで駅へと向かい、電車を待つ。
...もう。疲れた。早くこの人生に幕を下ろしたい。
アナウンスが流れる。もうすぐで電車が来る。
今日こそ願いを叶えれる日。今日で、このつまらない人生からおさらば出来るんだ。選ばない手は無い。
___電車が来た。
今だ。と身を乗り出すと、強く手を引っ張られる。
「何してるの!」
聞き覚えのある声。後ろを振り向くとそこには、母の姿があった。
『お、かぁさん、?』
戸惑うことしか出来なかった。母は県外にある実家に住んでおり、此処には来ないはずなのだから。
『な、なんで...どうして此処に』
「この近くに用があってね。それよりこっちが色々聞きたいのだけれど」
.........あれ、何故だろうか。何故私は今泣いているの?
涙が止まらない。
『ご、ごめんな、さ、ぃ。ごめんなさい...』
「ちょっ、泣かないでってば。一旦外に行きましょ?」
上手く喋れる気がしなく、首を縦に振り、母に手を繋がれながれ外に連れ出される。母の手は暖かかった。ものすごく安心した。少し...落ち着いた気がする
「で、どうして線路に飛び出そうとしたのよ?」
『......もう、疲れちゃって』
「仕事に?」
『人生に。何もかもが楽しくなくなって。何のために生きて、何のために働いて、何のために苦しんでいるのか、分からないの』
「そう。だから......」
『助けてくれてありがとう。ごめんね。こんな命を粗末にするような事して』
「結果的には助かったからいいのよ。......もう、こんな事しないで。何かあったら言って?お母さんは︎︎ ︎︎ ︎︎"︎︎いつでも︎︎ ︎︎ ︎︎"︎︎味方だから」
『うん。それじゃあ、仕事行かなきゃだから。またね』
お母さん。助けてくれてありがとう。そして、迷惑かけて
『ごめんなさい』
end 2023/12/08
No.1終了
―部屋の片隅で―
『私を、助けて......』
部屋片隅で私はそう言い放つ。
窓からは、太陽の光が差し込み、私は気分が重くなる。
きっと、
今日も
明日も
明後日も
明明後日も
その次の日も
1年後も
この繰り返し。「死にたい」と願い続けるだけで、死ねない人生。
死ぬのが怖いのか、なにかやり残した事があるからなのか
死ねない理由は、私にもよく分からない。
そんなことを考えていると、もう出勤時間。
重い足取りで家を出る。
『いってきます』
end 2023/12/07
No.1
―眠れないほど―
眠れないほど、死にたくなってしまう。
過去の失敗。未来への心配。
そして
今までに失ってきた人を考えると、「死にたい」という想いがより一層の強くなる。
明日にはきっとその想いが叶う。
___朝日が昇る
もう、朝だ。
嗚呼、まただ。また叶わなかった。
昨日も一昨日も1年前もずっとこの繰り返し。
「明日ならきっと」
そう思い、それが叶わずに、絶望する。
この繰り返しで生きているだけで憂鬱だった。
誰か。誰でもいいから。
『私を、助けて......』
end 2023/12/06