―ありがとう、ごめんね―
『いってきます』
重い足取りで駅へと向かい、電車を待つ。
...もう。疲れた。早くこの人生に幕を下ろしたい。
アナウンスが流れる。もうすぐで電車が来る。
今日こそ願いを叶えれる日。今日で、このつまらない人生からおさらば出来るんだ。選ばない手は無い。
___電車が来た。
今だ。と身を乗り出すと、強く手を引っ張られる。
「何してるの!」
聞き覚えのある声。後ろを振り向くとそこには、母の姿があった。
『お、かぁさん、?』
戸惑うことしか出来なかった。母は県外にある実家に住んでおり、此処には来ないはずなのだから。
『な、なんで...どうして此処に』
「この近くに用があってね。それよりこっちが色々聞きたいのだけれど」
.........あれ、何故だろうか。何故私は今泣いているの?
涙が止まらない。
『ご、ごめんな、さ、ぃ。ごめんなさい...』
「ちょっ、泣かないでってば。一旦外に行きましょ?」
上手く喋れる気がしなく、首を縦に振り、母に手を繋がれながれ外に連れ出される。母の手は暖かかった。ものすごく安心した。少し...落ち着いた気がする
「で、どうして線路に飛び出そうとしたのよ?」
『......もう、疲れちゃって』
「仕事に?」
『人生に。何もかもが楽しくなくなって。何のために生きて、何のために働いて、何のために苦しんでいるのか、分からないの』
「そう。だから......」
『助けてくれてありがとう。ごめんね。こんな命を粗末にするような事して』
「結果的には助かったからいいのよ。......もう、こんな事しないで。何かあったら言って?お母さんは︎︎ ︎︎ ︎︎"︎︎いつでも︎︎ ︎︎ ︎︎"︎︎味方だから」
『うん。それじゃあ、仕事行かなきゃだから。またね』
お母さん。助けてくれてありがとう。そして、迷惑かけて
『ごめんなさい』
end 2023/12/08
No.1終了
12/8/2023, 1:29:33 PM