さち

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7/13/2024, 3:26:36 PM

まだあまり納得がいっていません……
こだわって書きたいテーマなので、少しずつ更新していくと思います( ´ ▽ ` )


まるで水の様だ。

昼休み。私は1人でお弁当を食べている。
ざわめく教室で、私だけが1人ぼっち。
少し寂しい気もするけれどこれでいいんだ。
私には友達もいないし、人をご飯誘う勇気もない。
勿論誘ってくれる人もいない。
そんな私には、密かに好いている相手がいる。
その相手はクラスの人気者で。
優しくて。かっこいい。
私なんかが話せるような人ではない。

その日の放課後、私は教室に残って日直の仕事を片付けていた。
もう一人の日直は 部活があるからごめん と、何もせずに帰ってしまった。
頼まれたら断れない。
この流されやすい精神をどうにかしたい。
なかなか終わらない仕事に、辛さを感じ始めた時、
貴方は現れた。
「1人で日直の仕事やってんの?手伝うよ」
日誌を書いている途中でいきなり顔を覗き込まれたものだから、驚いてペンを落としてしまった。
い、いいんですか、?と声が震える。
敬語になってしまった。
「全然いいよ、暇だったし」
と、あなたはすぐに黒板を消し始めた。
他愛の無い会話をしながら仕事を進める。
ありがたいけど、心臓がどきどきする。
暖かい日差しを浴びているようだ。
日誌はすぐに書き終わったので黒板掃除を手伝う。
距離が近い。顔はあかくなってないだろうか。
話が途切れたタイミングで、勇気をだして気持ちを伝えようと口を開きかけたその時、 ここに居たんだ!探してたよ〜!! と、1人の女の子が教室に入ってきた。
にこやかに話すその子は隣のクラスの人気者。
愛嬌があってかわいくてみんなに好かれる人。
私とは似ても似つかない。
貴方は私と話すよりも何倍も楽しそうな表情でその子と会話をする。
ああ、やっぱりな。
2人はどこからどうみてもお似合いのカップルだ。
なんで今まで気が付かなかったんだろう。
話しかけてもらったからと自惚れていた。
1人でいいんだと思っていたはずなのに。
変化を求めてしまった。
残っていた仕事は適当に終わらせ、急いで教室を出た。
震える声でまたね、なんて言って。
あの子たちから一刻も早く離れたくて、いつもは走らない廊下を走った。
2人は優しく手を振ってくれていた気がした。
なのにそんな些細なことでも嫌味に感じてしまう。
私はなんて最低なんだ。
校舎の影で立ち止まってふっと息を吐く。
堪えていた涙がとめどなく溢れてくる。
子供のように泣きじゃくった。
頬を伝って落ちる雫が、水溜まりをつくる。
深い水の中に沈んでゆく。


#5 『浸る、溺れる』
2024.7.14 優越感、劣等感

7/12/2024, 3:18:54 PM

これまでずっと 言ってきた言葉がある。
これまでずっと 言ってこなかった言葉がある。

「ありがとう」という言葉。感謝を伝える言葉。
事ある毎に言ってきたつもりだ。
何かをして貰った時、一緒に何かをした時。
迷わずに感謝を伝えられる人でいたい。

「好き」という言葉。好意を伝える言葉。
まだ、言ったことがない。
言おうとすると恥ずかしさが込み上げてくる。
でも、貴方だけに伝えたい。
私の想いを伝えたい。

悪意のない真っ直ぐな言葉は、相手に必ず届く。
自分も相手も少しだけいい気分になれる。
私はそう信じている。

だから明日はちょっぴり勇気を出してみる。
素直な気持ちを、貴方に。


#4 『明日からの私』
2024.7.13 これまでずっと

6/22/2024, 7:10:29 PM

ただひたすらに頑張って周りに食らいつく。
必死に生きようとする。
それが私の日常。
人より劣っていると分かっている。
だから人より努力するしかない。
それは苦しいことだけど、普通の人と同じ生活がしたい。私自身が望んだことだ。
最初から人並みの能力があれば、って何度も思ったけど、そんなこと言ったってしょうがない。
日々の頑張りがいつか実を結ぶと信じて。
もうしばらくは私なりに頑張ってみよう。


#3 『努力と希望の毎日』
2024.6.23 日常

6/10/2024, 3:16:30 PM

俺のやりたいことはなんだろう。
やってみたいことはたくさんあるけれど、
きっとどれもすぐに飽きてしまうのだろう。
これまでもそうだったから。
全部1度やったら満足。
少し続いても、熱意のこもっていないものばかり。
自分が一生をかけてやりたいと思えるものに、
生きているうちに出会えるのだろうか。
あてもなく考える。
暗い海の底のように、先の見えない将来のことを。


#2 『未確定な不安』
2024.6.11 やりたいこと

6/8/2024, 6:23:11 AM

「僕と君の秘密を話そう。」

そんな約束をしたのは、ある日の帰り道。
「世界はきっと突然に終わる。」
きみは脈絡もなくそんなことを言う。
「世界が終わるのは明日かもしれないし、10年後かもしれないし、僕らが死んだずっと後かもしれない。この世界は、1度滅びたあとかもしれない」
「いきなりどうしたの」
「今日のラジオの話題が、『明日世界が終わるなら』だったんだよね。誰も世界が何時終わるかなんて予想できないだろうから。考えてみてもいいかなーって」
「なるほど。で、どうするつもりなの?」
「それを今から考えようと思って。君もバスがくるまでまだ時間あるでしょ?」
「まあ、まだあるけど」
「じゃあ一緒に考えよう!」
本当に明日世界が終わるかもしれないのに、呑気なやつだ。
「君ならどうする?」
「俺はいつも通り過ごすかな。明日世界が終わるからって、なにか特別なことをする理由にはならないでしょ」
「えー!明日世界が終わるっていうのはすごく大きな理由じゃない?」
「そうかな」
「そうだよ!そんな理由が付けられる日なんて、一生に一回あるかないかわかんないじゃん!」
「うーん。まあ世界が終わる時は、でかいことやってるかもね」
「え!どういうこと!?」
「内緒」
きみには分からなくていいことだ。
「そういうきみは何かしたいことでもあるの?」
「僕はねー、美味しいものたくさん食べて、遠くにいる友達みんなに会いに行って、やりたかったこと全部やる!」
「それ一日で終わるか、?」
「えへへ、でも最後の日は今までで一番最高な一日にしたいじゃん!」
「そうか。頑張れ」
「何それ。そんな明日で世界が終わるみたいな」
今日のきみは鋭いな。
「あ、あともうひとつやりたいことがあった!」
「まだあんのか」
「世界が終わる時には、君の秘密を教えてよ。僕の秘密も教えるからさ」
「え、なんで」
「いいじゃん。世界が終わるのなら!」
きみは不敵に微笑む。
「まあいいよ」
「おっけー。約束だよ!指切りげんまん!」
楽しそうなきみの声を聞いていると、なんだか世界を終わらせるのは勿体ない気がしてきた。


#1 『僕と君の約束』
2024.6.8 世界の終わりに君と

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