いす

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11/8/2023, 10:07:24 AM

そうして。はやく。何よりも望んできた。誰も彼もが偉いと言った。誰も彼もが、毎日学校へ行って、仕事をして、おうちのことをして、生活をして、他人を慈しんで、生きてるだけで私たちは素晴らしいものであると言った。生きてるだけで偉いと誰も彼もが。
ねえ、お願いよ。ねえ。はやく。何よりも、何よりも望んできた。私を全くの意味のないものにさせてよ。

11/7/2023, 5:00:31 PM

一生難しい。一等難しい。この距離の縮め方を、離し方を、あなたとわたしはわからないまま、ときに向かい合ってときに隣り合って、笑うことはできる。

11/6/2023, 3:26:16 PM

そういえば雨を見ていなかった。聞いていなかった。触れていなかった。嗅いでいなかった。傘は錆びていて、ふと触ってみたが開きそうにない。それだけの月日が流れているらしい。
「遅れてすみません」
やってきた客の肩は少し濡れていて、ビニル袋に入った軸の太い紺の傘がその滴を先端に落とし袋をゆるく膨らませている。柔らかな肩にあなたは触れる。まとう雨の匂いを嗅ぐ。ビニル袋が床を擦る音を聞く。あなたは彼に口付ける。こんな断絶された小さな部屋にも、どうやら雨は降るらしい。

11/5/2023, 2:16:37 PM

閃光。煌めいて。ひかる朝露のようにか細く。蟲たちのまとわりつく街灯のように鈍く。ネオンの雑踏のようにうるさく。あなたの愛のように激しく。あなたがあの子の嘘も涙もまるごといつくしんだことを、その光が地球よりはるか向こうの未来へ送るから。

11/4/2023, 2:13:55 PM

あなたがさみしいものであるたびに、行方知れずの私の未来が手元に落ちてくるようでした。やるべきことができたような気がしたのです。あなたを守らなければいけないとか、あなたを笑わせようとか。ただのおこがましさであり、勘違いであることがほとんどでしたが。それでもあなたは私がとなりに在ることを許しましたね。あなたは私を笑わせ、守りましたね。そのことに救われこそすれ、傷つく権利など私にはなかったというのに。

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