『練習、お疲れ様。』
「おう、」
彼はバスケ部のキャプテンであり、私の幼なじみ。
そして私の好きな人。彼は、ありがとな、なんて言いながら微笑む。その笑顔が私は堪らなく好きだ。
そんな彼に、私はキャンディーを渡した。
キャンディーを見て、何だよ急に、と彼は一瞬戸惑ったけど直ぐにいつもの表情に戻りサンキューな、と言ってくれた。
___何故私がキャンディーをあげたのか。実は今日はバレンタインデーだから。皆は、渡すお菓子にそれぞれ意味が有るって知ってる?" チョコレート"なら、貴方と同じ気持ち。" マカロン "なら、貴方は特別な人。そして、" キャンディー "は、
" 貴方が好き "
こんな遠回しな告白届くなんて思ってない。
でも、もしかしたら…なんて淡い期待を持ってしまう自分を、今日ぐらいは許してあげようと思う。
#バレンタイン
僕は、昔から身体が弱かった
毎日入退院の連続で、学校にも行けなくて辛い日々が続いた。そんな時、病院のテレビでとある実話を聞いた。この先、喋れ無くなり余命宣告を受けた男性が喋れる内に家族へ向けた最後のビデオレターを撮り、それを男性が亡くなった後に家族が見る。そんな話だった。__________、
そして、僕も実は余命宣告を受けていた。
でもそれを知ってるのは母だけ。他の親族や友達には打ち明けて居なかった。そんなある日の夜、静まった病院の中にナースコールが響き渡った。それを押したのは僕。遂にその時が来たようだ。
_______病院の先生の必死の処置があったが僕は静かに目を瞑った。
そうだ、夜が明けたら、皆見てくれるだろうか。
僕の最後のメッセージ。
『 皆が、これを見てるって事は僕はこの世に居ないんですね。僕は余命宣告を受けていました。その為いつ居なくなるか分からない。だからこのビデオレターを通じて御礼を伝えたいと思ったんです。』
この時僕は涙を堪え、泣くのを我慢していた。
その為声が震える。でも最後の言葉で我慢の限界に達してしまった。
『 皆に…会えて…、幸せでした。ありがとう…』
最後は、泣きながらの笑顔でビデオを締めた。
伝えたい事は伝える。毎日一緒に居る大切な人が突然居なくなってしまう事が有るかも知れない。だからどんな方法でも良いからいつも感謝を伝える、それが悔いが残らない一番の方法だと僕は思う。
#伝えたい
『誰もがみんな、辛いこと、後悔したこと、泣きたいことがあり、それを経験してる____ 。』
これは、俺の父さんが残した言葉だ。
あの人は強い心を持っていてとても優しい
人だったことを今でも覚えている。
でも、事故で父さんがこの世を去ってから暗い毎日が続いた。仕事も上手く行かなくて何もかもやる気を無くしていた。そんな時、あるノートを見つけた。父さんの名言ノート、そう書かれていた。こんなのも書いていたっけと思いつつノートを開くと、書かれていたんだ。あの言葉が。
『でもそれを経験しているからこそ、また更に強くなる。そして失敗は終わりじゃない。失敗の積み重ねは、お前自身が変わるチャンスと考えなさい』
チャンス…か、、。
…もう少し頑張ってみても良いかもな。
まぁ、そう思いながら、晴れ晴れしい気持ちで俺は仕事に向かったんだ。
#誰もがみんな
私には大好きな推しが居る、皆も居るかな。
キャラクターでも、アイドルでも、女優や俳優でも推しがいる人は多いと思う。
いつも遠くに居て尊い存在
溢れる気持ちを抑えつつ、心の中で叫ぶ事にする
『大好きだー!! 生まれて来てくれてありがとー!!』
てな感じで、今日も推しに感謝して過ごしますか~
#溢れる気持ち
今日は節分。豆をまいたり、恵方巻きを食べる日。
恵方巻きを食べる風習は、江戸から明治にかけて大阪で広まったらしい。今、鬼に扮した親が子供達に豆を投げられているのだと思うと、くすっと笑えてくる。それに私も昔は鬼に扮した親に容赦無く豆を投げてたって言うのもあって、懐かしい気持ちにも
なってくるんだ。
日本の行事や伝統は素晴らしい。
3月の雛祭りや5月のこどもの日、七夕など誰かの幸せを願うような行事が様々。節分もその一つ。季節の変わり目に起こりがちな病気や災害を鬼に見立て、それを追い払う儀式。それもまた、家族の安全や健康を守る為昔の人達が考えた知恵。
そんな行事や伝統が途切れること無く、1000年先の未来でも続いて行ってくれたら良いな、なんて思う自分が居るんだ。
『さて、鬼の面を付けようかな』
そして今では私が鬼に扮し、子供達に豆を投げられる側になっていると言うのも伝えておこう。
#1000年先も