君と見る最後の景色は
少しださめなイルミネーション
しょぼいとかそんなことを言いながら
2人になるとちょっぴり優しくなる君の手を握る
片耳から脳内に音楽が流れ込む
寒さに震えながら腕を絡め合う
顔が寄せられる
私と同じくらいの手
それでもちゃんとゴツゴツした手が
頭に降り注いで身体を引き寄せる
いつも以上に恋人のような、時間だ
眩しい光に踊らされているだけか
少しは最後を感じて切なくなっているのか
自意識過剰な私を抑えたのは
気がないということを自覚させる言葉と行動
だからきっと前者だ
それでもよかった
悔いも苦しさも虚しさも苛立ちも
それしかなかったように感じたが
今思い浮かぶものは触れ合う時の顔
笑い合った時の顔
楽しかった日々
そんなに悪くなかったのかもしれない
「うざいし意地悪だし嫌いだよ
けどね、
ちゃんと最後まで好きだったよ
バイバイ。」
何も言わずに微笑まれ、後ろを向いて、行った
君が放った、もう繋がれることのない手が宙に浮く
我ながらに良い終わり方だったなと余裕なフリをする
一度でいいから
君に愛されてみたかった
少し眩しすぎる光に嫌気がさした
いつか思い出に変わりますように
そう願いながら今日も電球を見つめる
気分屋を嫌いだと嘆く心と
気分屋に歩幅を合わせてしまう足
それでも君と手を繋いでいる時だけは
君は僕のもので
僕は君のものであった
繋がれている何かが
そろそろ終わりを告げるらしい
ねぇお願い
お願いだよ
手を繋いでよ
明日が最後だ。
次があるのか否か
きっと有名になる
いや、絶対有名になる君
どこまで行っても覚えていてくれるだろうか
何もない、1から作ったあの曲を
夜通し作ったあの歌詞を
完成した時の達成感を
喜び溢れて思わず抱き合う瞬間を
少しだけ
2人の中に溶け込んだ秘密を
腹を立たせたことを
腹が立ったことを
また会いましょう
もう会えなくとも
たまに私との思い出に会ってください
無言な時間
不意に始まる会話
プライドを忘れ
綺麗事を見失い
大袈裟と言われそうな笑い声
君の悲しみは僕の苛立ち
君の喜びは僕の嬉しさ
すれ違いをも結局は許せてしまう
すれ違いは仲を深める材料
いつまで経っても大好きと言い続けられる自信
友達
目指すという名の幸福と
離れるという名の憂鬱
無意識な急ぎ足で
もうこんなところまで来てしまった
あと何回意地の悪い言葉を聞いて君に腹を立てるだろうか
あと何回しょうもないことで笑い合えるだろうか
あと何回
君に触れられるだろうか
浮かない心
言いたげな僕を放った
夢を追う君を見るのが好きだから
頑張れ