音。

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君と見る最後の景色は
少しださめなイルミネーション
しょぼいとかそんなことを言いながら
2人になるとちょっぴり優しくなる君の手を握る
片耳から脳内に音楽が流れ込む
寒さに震えながら腕を絡め合う
顔が寄せられる
私と同じくらいの手
それでもちゃんとゴツゴツした手が
頭に降り注いで身体を引き寄せる
いつも以上に恋人のような、時間だ
眩しい光に踊らされているだけか
少しは最後を感じて切なくなっているのか
自意識過剰な私を抑えたのは
気がないということを自覚させる言葉と行動
だからきっと前者だ
それでもよかった
悔いも苦しさも虚しさも苛立ちも
それしかなかったように感じたが
今思い浮かぶものは触れ合う時の顔
笑い合った時の顔
楽しかった日々
そんなに悪くなかったのかもしれない
「うざいし意地悪だし嫌いだよ
 けどね、
 ちゃんと最後まで好きだったよ
 バイバイ。」
何も言わずに微笑まれ、後ろを向いて、行った
君が放った、もう繋がれることのない手が宙に浮く
我ながらに良い終わり方だったなと余裕なフリをする
一度でいいから
君に愛されてみたかった
少し眩しすぎる光に嫌気がさした
いつか思い出に変わりますように
そう願いながら今日も電球を見つめる

12/14/2021, 10:44:56 AM