『カレンダー』
1月 今年こそは頑張るぞー
2月 まだ2月だから大丈夫
3月 もう3月になっちゃった
4月 4月から頑張るぞ
5月 まだまだ年度は変わったばっかりだし大丈夫
6月 ジメジメしてやる気が出ない
7月 暑くてやる気が出ない
8月 やっぱり暑いから涼しなるのを待とう
9月 残暑が厳しい、もう少ししたら涼しくなるから
10月 ヤバい もうすぐ一年経っちゃう
11月 秋の味覚を堪能し眠いから明日にしよう
12月 来年こそは、頑張るぞ
進歩のない私です。
『踊るように』
パチパチと音を立て
踊るように舞う火の粉
子供の頃に
キャンプファイヤーで
見た炎の美しさ
暗い夜空に
赤い小さな火の粉が
バチバチと音を上げながら
ゆらゆらと
上へ上へと
空に向かって
登っていき
消えていく
ずっと見てても
飽きない美しさ
炎を囲んで
皆で
焼きおにぎりを食べた
とても
非日常的な光景だったのを
覚えている
『時を告げる』
帰省すると
防災スピーカーから
懐かしいオルゴール調の『夕焼け小焼け』が流れていた。
子供の頃
近くの駐車場や学校の校庭で"かけ十"や"サッカー"、"かくれんぼ"、"ドロ刑"などをしていても
『夕焼け小焼け』が聞こえてくると
皆、慌てて遊びを止めて、「またねー」と走って家に帰った。
『ドボルザークの家路』が聞こえてくると
布団で横になりながら、早く寝ないと怒られると思った。
夏休み、母の実家に帰省して
従姉弟と朝の散歩中に『故郷』が聞こえてくると
なんだか、いつもと違う今日一日がこれから始まるというワクワク感が込み上げてきた。
子供の頃は、
チャイムが鳴ったら、帰ってきなさいという家庭のルール
チャイムが鳴ったら、もう夜遅いから子どもはもう寝てないといけない時間という習慣
チャイムが鳴ったら、今日が始まるイメージ
という大雑把な括りの中で生きていたので
時を告げるチャイムのおかげで
時計を読めなくても、腕時計を持っていなくても
時を知ることができたんだなと思った。
今、住んでいる地域でも、チャイムが鳴っているらしいが
どんなメロディーなのかは
十年以上住んでいるが知らないし、聴こえてきた記憶もない。
大人になり、時間に追われ
携帯電話でいつでも、時間を知ることができるから
時を告げるメロディを頼ることもなくなったからだろう。
また、自分の興味のある音にしか関心が向かず
不必要なノイズとして脳が勝手に処理をしてかき消しているのかもしれない。
もう一度、
耳を澄まして、
今いる地域での時を告げるチャイムに
耳を傾けてみようと思った。
『貝殻』
大昔、貝殻はお金みたいなものだったらしい
こんなものがと今では思ってしまう
でも、牡蠣とかの貝殻の内側が
キラキラと虹色に輝いている貝もあり
キレイだなと見惚れてしまうため
あながち嘘ではないのかなとも思う。
時折、大きな貝殻を飾っているお家を見かけると
大昔の人間の習性なのだろうかと思ってしまう。
『香水』
17の時に、初めてお付き合いしたあの娘がくれた誕生日のプレゼント。
フィルムケースほどの大きさの藍色ベロアの小さな小箱。
その中には、小さな小さな香水の瓶
「お金が無くて、試供品でごめんね」とあの娘は言っていた。
あまりおしゃれを気にしない私が、絶対に自分で買わないし、選ばないだろう一品。
自分とは違う環境で育ったあの娘が選んだプレゼントだからこそ、私の手元に迷い込んできたジャンルの品。
だからこそ、私の中では珍品となり、
二十数年経った今でも
使い終わった小瓶を捨てられずに持っている。
もう、小瓶の中は、
ほぼ空っぽなのに
蓋を外すと
とてもいい想い出の香りが残っている。
目を瞑ると
若かりし自分とあの娘の姿
あの夏の思い出が蘇る。
今
だから思う。
本当に良いプレゼントをもらったんだなと。