夜に家を抜け出してギターを片手に公園へ行く。
ブランコに乗りながら自分の好きな歌を弾く。
それが私のお気に入り。
ごめんね。
彼の優しさを逆手にとって色んなものを買ってもらってた私。
でも最近彼が何もしてくれなくなった。
だが、他にいい感じの人も見つかったし、そろそろ別れようかと考えていた。
でも、今日私は体調を崩した。
彼は仕事だが、私は動けない。
前に付き合いがあった男達に連絡を入れてみた。
『助けて。動けない。』
と、1人ずつ連絡してみたが、誰も返事をくれない。
そもそも私の連絡が届いてるかも分からないのだ。
最後に、最近いい感じになっていた男に同じように連絡してみた。
が、その男は返事をくれない。
既読は着いているが、返信は、無い。
何故だ。私は可愛いのに。愛想も良く、性格も…いいのに。
今までの男ならすぐに来てくれた。
それなのに、その男はいくら待っても来てくれない。
もう、いいか。諦めよう。
それから数時間後、私の体調は変わらず最悪だった。
お腹も空いたが起き上がる気力も無い。
もう寝よう。と思っていた。
その時、ガチャリとドアが鳴って、
「大丈夫かー?」
と彼が入ってきた。
それから彼は料理を振舞ってくれ、看病してくれた。
その時私は初めて男に惚れた。
彼が私の本当の初恋相手となったのだ。
その後私は彼と正式に付き合った。
彼へ。
あなたを使ってごめんなさい。
あなたを馬鹿にしてごめんなさい。
かつて見下していたあなた。
''愛してます''
静かなベッドの上で鳴るスマホのバイブレーション。
私はいつもそれを楽しみにしている。
真夜中に聞く彼の声はとても心地がいい。
気づいたら朝の6時30分。
彼の声は魔法のようだ。
もっと話していたいのに、すぐ眠りに着いてしまう。
体を起こした私は早朝から彼との電話を振り返ってニヤニヤしている。
今日も1日、彼との電話の為に頑張ろう。
電車に揺られながら私はそんな事を思っている。
夜になると明日、自分は死んでいるのではないかと不安になる。
パニックになる。
凄く苦しくて辛いんだ。
だけど、
朝が来てしまうのは嫌だ。
今日も生きてるって安心するけど、夜になるのがたまらなく怖くなる。
これの繰り返し。悪循環だよ...。
おかあさんにころされる。そんなゆめをみた。
あせをかきながらめをさました。
となりにはわらっているおかあさん。
「どうしたの?」
「いや、なんでもないよ」
「そう」
おかあさんはずうっとわらっている。
いつもはおきてすぐからわたしをたたいたりしてくるのにどうしてだろう。
「今日はお出かけ行こうか。」
「え?ほんと?やったあ」
おかあさんはずうっとわらっている。
おでかけまでつれていってくれる。
やさしいおかあさん。
ここはどこ?
しってるこがひとりもいない。
「じゃ、今日からよろしくお願いします。」
わたしがいってるところのせんせいじゃない。
「…ごめんね、。さよなら。」
そこで私は勢いよく目を覚ました。
「はぁ、はぁ、」
「…お母さん、」
施設の先生が隣に居た。
「大丈夫?嫌な夢でも見たの?」
親でも無いくせに優しい口調で話しかけて来ないでよ。
むかつく。お母さんの事なんて思い出したくなかったのに。
「いえ、なんでもありません。大丈夫です。心配しないでください。」
「そう?分かったわ。
朝ごはんの時間よ。早くホール(体育館のような広い場所)に行くわよ。」
「…はい。」
ここは孤児院。親がいない子供たちが生活をする場所だ。