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7/14/2023, 5:02:20 AM

私の友達のA子ちゃん。
運動も勉強もできる文武両道の優等生。
肩より少し長い真っ直ぐな黒髪と、白い肌。
化粧もしてないのに整った顔。
まさに高嶺の花。
乱雑で男っぽくて、肌が黒い私とは大違いの、守ってあげたくなるような女の子。

高嶺の花と友達であることへの優越感と、
女の子として完璧なA子ちゃんへの劣等感。
二つがぐるぐると頭を回る。
何も知らない純粋なA子ちゃんは、今日も私の隣で微笑んでいる。あぁ、最低だな私って。



私の友達のB子ちゃん。
いつも周りの人を笑顔にしているムードメーカー。
肩につかない焦茶の短髪と、健康的な浅黒い肌。
大きな目にくっきりした二重。
皆んなに好かれる人気者。
無愛想で冷たくて、肌の白い病弱な私とは大違いの、明るく元気な女の子。

人気者と友達であることへの優越感と、
いつも皆んなに囲まれているB子ちゃんへの劣等感。
二つがぐるぐると頭を回る。
何も知らない純粋なB子ちゃんは、今日も私の手を引いてくれる。あぁ、最低だな私って。

7/13/2023, 7:04:43 AM

「ねぇーー!!」
「ほんっとごめん! またいつか埋め合わせするから!」
「ほんっとどーゆーつもり!?」
目の前で申し訳なさそうに頭を下げる彼に叫ぶ。
ほんと信じられないこの男!
約束の時間をオーバーしたあげく、「予約した」と言ったレストランも予約ミス。それ上財布も忘れて私に奢られる始末。
しかも今回ばかりじゃない。前もその前も同じか…それ以上のことをやらかしてる。
学習しないのかこの男!!
「ごめんっごめんって! ほらこれあげるから」
おもむろにポケットから何か取り出す。
ミルクキャンデーだ。私が好きなやつ。
私はこうやって私はいつもこの男を許してしまう。前回はチュッパチャップス、前々回はグミだっけ。
なぜかもう、彼に対する怒りは消えていた。
「……あーあ、私はそんなあんたでも嫌いになれなかったからなーこれまでずっと」
「これからもだろ」
自信満々に言う彼に、私は思わずため息をついた。

7/11/2023, 10:07:58 PM

『別れようか』
スマホの通知センターで確認した一件のLINE。
それは私が愛する恋人からだった。
私はそれに、既読をずっとつけられないでいる。
本当は私がこのLINEを読んでいることに、恋人が気づいていたとしても、
会うのが昨日で最後だったとしても、
無理だった。
受け入れられなかった。
たった6文字。
消えてなくなってくれたらいいのにな。

7/10/2023, 12:05:12 PM

目が覚めたら、今日起こったことが全てが夢で。
あなたがいつものように早起きして、サクサクのトーストを焼いて、あたたかいコーヒーを入れてくれてたらいいのにな、と思う。
でもどんなに待ってもコーヒーの香りはここまで漂ってこなくて、あなたは私を呼びには来なくて。
あなたがもうこの世にはいない事実が、ゆっくりと心に広がっていく。それがいやでいやで、私は思わず強く目をつぶった。

ふわりと優しい風が頬を撫でる。
思わず身を起こして窓を見ると、白色のカーテンがゆらりゆらりと揺れている。
寝る前に窓は閉めたはずなのに。
『いつまでも寝ていてどうするんだい』
あなたならそう言ったのかな。
私を明るい方へ引っ張ってくれたあなたなら、こうやって私を撫でてくれたのかな。

--分かったよ。
カーテンを開け放つ。
眩しい太陽の光が部屋を支配する。
あなたが好きだった、ちょっと苦めのコーヒーを淹れよう。
あなたが好きだった、ちょっと焦げ目のついたトーストを焼こう。
そしてあの日、あなたが連れて行こうとしてくれた、青い海を見に行くよ。

7/9/2023, 12:06:38 PM

「そんなの当たり前じゃん」
「みんなやってるよ」
「できてて当たり前」
「当たり前」
「当たり前」

今朝言われた言葉が脳内をぐるぐる駆け巡る。
なんだってんだみんなして!
こっちの『当たり前』とあんたらの『当たり前』は違うんだっつーの!
少しは褒めることをしろい!

「やぁ……ってどしたそんな顰めっ面で」

イライラが顔に出ていたか、友達が心配そうに話しかける。私は今朝の散々な出来事を……少し誇張して友達に話した。

「あーね。むかつくなぁそれは」
「でしょ? もう朝からガン萎え」
「で、どうした?」
「ん?」
「ぶちかまさなかったの一発?」
「はぁ!? 仕返せって!?」
「当たり前じゃん」

そう言って私を追い越し、くるりと振り返る。

「私の『当たり前』は少しバイオレンスなのだ」

ははは! 
と笑う彼女を見て、今朝のことなんてどうでもよくなってしまった。
こんな友達だから、一緒にいて楽なのだろうな。

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