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11/25/2023, 1:42:22 AM

 アグリーセーターとは、欧米で母親や祖母が子どものために編むクリスマスモチーフのセーターを指す。赤や緑のどぎつい配色、鎮座するサンタやトナカイたち。
 プレゼントされて着ざるをえない子どもたちの悲哀を込めて、アグリー(ダサい)セーターと呼ばれる。

 日本でいう「おかんアート」を彷彿するが、こちらは一応実用品である。
 欧米ではもはやジョークのネタになっており、ホリデーシーズンには大人もあえて身につけて楽しむ。
 現代では手編みをする人が少ないので、アパレルメーカーがわざわざセンスの悪いセーターを作って売り出している。イケてるアグリーセーターを考えているデザイナーがどこかにいるのだ。

 最近、その文化は日本にも入りつつあるらしい。しかし、まだまだ浸透していないうえ、日本人の性質上「お洒落のつもりだったら突っ込むのは失礼」と気を遣われて、ただそこにいる派手なセーターの人になる可能性がある。
 ちなみに12月の第3金曜日はアグリーセーターの日となっており、今年は12月15日である。


『セーター』

11/24/2023, 1:36:36 AM

 気分が落ちていくのが自分でも分かるとき、上げようと努める人と落ちていくのに任せる人がいると思う。
 自分は後者である。
 根っからのネガティブで自らを鼓舞する気力が湧かない。
 落ちるところまで落ちて、どんよりした気分に浸りきる。反芻する。味わう。
 落ちるきっかけは自分自身の失敗であることが多く、思い返しては「アッ」と小さく声が出たりする。
 大失敗だとしぜん声も大きくなり、家の中で「アーッ」とのたうったあとに窓が開いていることに気づくのもよくあること。
 立ち直るきっかけは特にない。沈みきったところから徐々に浮上していくのを待つ。
 沈む深さは事案によるが、無駄なあがきはせず、ただ落ちていく自分を感じていたほうが、むしろ浮上の時は早まる気がするのだ。


『落ちていく』