あなたがいたからなんだ
私がもう少し頑張ろうと思えたのは
転んでも起き上がろうと思えたのは
素直になれる気がしたのは
恋の錯覚に酔いしれたのは
全部が全部
あなたがいたからなんだ
どうか
私が知っているあなたが
穏やかで優しいあなたが
本物のあなたであってほしい
あなたと一緒になれないのなら
はじめから出会いたくなかった
触れてはいけない人が近くにいることほど
切なく苦しいことはないのだから
ある朝
私はぼんやりと歩いていた
背後に人の気配を感じて振り返った
傘を差したあなたがいた
濡れちゃうよ?と言って私を傘に入れた
私はその時初めて気付いたんだ
雨が降っていたことも
あなたが笑っていることも
ただの朝を幸せな朝に変える
それはあなただけが使える魔法
私だけがかかる魔法
落下していく
時が経てば忘れていく
それは自然の摂理なんだろうか
そうなるべくしてそうなるのだろうか
明日がどんな1日で終わるかなど関係ない
私は私を生きているのだ
私は何かに逆らいたくて
きっと自分に負けたくなくて
今は空回りしている
ああなりたいこうなりたい
そんな理想が今の自分を
遠くに遠くに追いやる
私が止まったら
また背中を押してくれる人はいるだろうか
あれこれと考えるのをやめてしまいたい
あじさいが咲く小道を二人で歩いた
丁度いい強さで手を繋ぎながら
何度もお互いの顔を近づけながら
あの高台まで行ったら何をしようかと
冗談交じりで話しながら
今日も君と過ごしている
決して近くも遠くもない距離で
二人きりで同じ部屋にいる
時々たまらず恋しくなって
無意識にその背中に寄りかかると
必ず君は私を胸に抱く
君は私の手を優しく握ってこう言った
梅雨が明けたら
もう少し遠くに行こう
どこまで二人で行けるか
どうしたら二人でいられるか
そんな少し先の未来を二人で考えよう
好き嫌い好き嫌い好き
花びらの数だけ想いが芽生えた
子供の頃は運命を信じていた
あの頃は好きになろうと思えば簡単だった
すべてが遊びの延長で
嘘もなければ真実もないのだから
子供の頃はまだ知らなかった
好きになってはいけない人がいて
恋愛を馬鹿にする時期があって
真実の愛は手に入らなくて
自分のことすらわからなくなることを
君が隣にいる
肩を寄せ合って流れる穏やかな時に
花びらをひとつずつちぎった
する、しない、する、しない、する。
君と初めて唇を重ねた
他ならぬ愛に触れている気がした
目を開けたら純粋な君がいた
君のことを愛している私を見つめて笑った