刻々と降り続ける雨の中
24時を告げる音が鳴る。
また君と一緒に笑いあっていた日々が
過ぎてゆく
心から笑えたあの日々が
心配そうなこえでわたしの日々を問う君を見て
でも君が安心して他の場所で笑えるように
一歩踏み出して見ようと思った。
ーー夜が明けるーー
私の物語はとっくに始まっていた
なんの変哲もない物語は始まっていた
でも君の笑顔をみた瞬間
君が手を差し伸べた瞬間
君の手に触れた瞬間⋯
本当の物語が始まった
気がした
ひとひら
もし君に私に対するひとひらの愛でもあれば
私は君の手を取ったかもしれない
でも君には
私から得られる利益への愛しかなかったから
私は君の手を取れません
君と僕確に似てた
過去の散々な記憶
歪められた認識
すごく似ていた
そして君と僕ほ必然的に惹かれあった
最初君と僕は大好きとか好きとか
そういうのがわからなかった
だから僕は分からないなりに
君に愛を尽くした
お互いに尽くしてた
そしたら僕は必死に過去に抗う君を見て
守りたいと思ったし、こんな小さくて弱り切った君に
こんな自分の個性を潰し続けて、周りに合わせるような嘘をつき続けて欲しくないって思ったんだ。
君の全てが愛おしく思えるようになった醜い部分も全部いい部分も全部。支えたくなったし自由にしてやりたいと思う。君が幸せになれるなら犠牲になったって構わないと思うくらい。これが愛するということに自然に気づいた
でも君はまだ利益の関係、愛がないけど好きな関係と愛する関係に区別が着いてない見付けてられてないみたいだ
利益が付き物の関係に惑わされてほんとに愛してるということを見つけられてない
でも僕は愛し続けるから
君が気づいてくれるまで待つよ
空に向かって
友達と歩いた冷えた帰り道
アスファルトがむきだした土の霜を
靴で踏んで、
「いい音だねぇ~……」
と霜の砕ける悲鳴を味わいながら歩いた道
ふと上を見あげると人の顔をしたキモイ雲があった
人に指を刺しては行けないッ!というルールがよぎる前に
澄んだ空気の充満する空に向かって大きく指を指した
「あれ!あの雲!おじさんの顔みたい!!」
友達は目を丸くして雲を探した
私は雲の正確な位置を教えたい!と思い
友達にピッタリくっついて目線が正しく行くように移動、
友達は人とあまりくっつきたがらないのを思い出し
しまった!と思ったが
気持ちに答えるように友達は私の肩辺りにもたれたかかった。なんだか嬉しくなって私もちょんと頭をつけた
「あの雲だよあの雲!おじさんの雲!」
というと、
「うそぉ!うちは虫に見えるんだけど!!」
2人でどっちにしろキモイ形だね!という結論でこの話は終わった。