突然の別れ
……当然のことだと思っていた。けれど内心は恐れていた。「別れ」。
あまりにも唐突すぎて、その為の計画を立ててなかった。「ねぇ、なんで来るの?」と少女は大粒の涙を零していた。
―――しかし、その姿を見るものは誰もいません。
誰も気にしないのですから、
「何故、別れがあるのですか」
「それは、別れの分だけ出会いがあり、出会いの数だけ別れがあるのですから」
「まぁ、何ともあり溢れた普通の言葉なんでしょう。
―――それでは私は納得しませんよ。」
「うーむ、これは難しいな。」
「そうでございましょうか。」
「別れの分だけ出会いがあり、出会いの数だけ別れがあるという回答以外には、綺麗な答えがないのです。きっと心を抉ります。」
「―――それでも構いません。」
……
「それは、当然の事です。慣れなさい。」
「よ、予想以上に心を抉ってきますね……」
「それが人間らしいのです。」
そう言って、彼は立ち去ってしまいました。
恋物語
私の恋物語は、私にとって呪縛となり責め苦となる。
愛で紡がれた物語は夢物語だ。
誠実な愛など存在しない。利用価値のある人間を選んでこその、完全な関係が成立する。
価値がなくなったら、ゴミ箱に捨てるように裏切る。
ゴミ箱に捨てられたものを可哀想と思わないだろう。
人間はそんなものだ。
……実際、恋物語は吐き気がするほど醜い。だから、思い出したくない。
真夜中
心が癒され、心を抉り、心を虚しくさせる。
精神的に病んだ人にはいい時間だ。程よい寒さだ。
真夜中には、別の美しさがあると考える。
闇(病み)という美しさ、恐ろしさ。
そして、照らす街灯や、信号、電気で動く建造物の光などがイルミネーションのように照らす。
今のストレス社会の癒しだ。
光は、不思議だな。闇は、もっと不思議だな。
1番近くにあって、1番遠くにある。
あはは、と笑ってしまう滑稽さ。
ほぉぉ、と言ってしまう恍惚さ。
1番のものは、言葉に表せないのです。
私も、こうやって言葉に表現するのが精一杯。
あはは
私は滑稽な声を出しました。恥の声を出しました。
生きるから恥が付き物なのか、恥をかくから人生なのか分からないのです。光と闇の詳細な違いくらい。
もう考えるのはやめましょう。こんなに綺麗で、心地いいのですから。
愛があればなんでも出来る?
愛は世界を救うと言うが、同時に愛で世界を滅ぼす。
愛は凶器だ。愛以上の地獄は見た事がない。蝕んでることに気づかない毒だ。
だから、愛で傷つく事がある。愛で破滅することがある。しかし、誰かを愛さなくても、誰かに愛されなくても、良くしてくれる友達がいればそれでいいのだ。それで生きていけるのに、何故愛されようとする。
自分のことは自分で愛せ。そうでなければ幸せにはなれん。
後悔
何度も何度もしてきた、心を抉られ、過去だけではなく、未来も縛る呪縛。好奇心で恥をかく、全てを失う、人の抗えぬ宿命みたいなものだ。
抉り、縛る。まるで地獄だな。
死にたくなる、消えたくなる気持ちは、理解できまい。なぜなら、そうなったことがないからだ。
理解できない以上、後悔に怯える日々を過ごしている。
恥と後悔の人生を送ってきた私は、それは少しのアクシデントに過ぎない。何かをやって後悔するという結末は、何をやっても失敗すると逃げているばかりの弱者には、お似合いの結末だ。優しさで傷つく者に、幸せに生きる意味などないと。