幸せとは、他人からもぎとった結果のことである。
人はみな、幸せというものを手に入れるためなら他者の都合なんてどうでもいい。
誰かの為という自分を犠牲にしてるような行為も、結局は自慢になる事もある。
「奪い合え。」そう悪魔が囁き続けている。口角をあげて、目をギラつかせながら。それを当たり前だと思ってる世、世界の理。
富んでいる者も貧しい者も関係なく、みな奪い合う。
それを、幸せと人は呼ぶ。
孤独を紛らわすために、他者を傷つけたりもする。
清廉潔白な人間など存在しない。
私たち人間は、みな穢れている。
生まれた時点でこの地獄に放り込まれた。
これを平和と呼べるか。幸せと呼べるか。
否、呼べるかではない。そう決めつけるしかない。
幸せは、運の奪い合いの末路だ。
――幸せとは――
手ぶくろ
バスを待っていると、手が石みたいに固くなっていた。
少しの痛みと外界の寒気に二の腕を少し早く撫でる。
ポケットに入った手袋。1つは付けます。
もうひとつは付けないでおきましょう。
忘れると大変ですから。
バスが来たら外します。バスの中は暖かいのですから。
スマホが触れなくなるのは勘弁ですから、片方だけつけましょう。
落ちていく
ゆらりゆらりと
くらくらり
真っ暗なやみに落ちていく
けれど、不思議と困らないんだ
生きている方が辛いのだから
呼吸すら難しい。息苦しい世の中さ
だぁれも、おれを理解しようとしない
おれじゃないな、おれ達だ。
そんなことに比べれば、落ちていくのは楽だ
少しの恐怖はあるが、諦めがつく
底なしでも、何もしなくても終わりが解る。
人生は、休むことを知らない
まさに奈落の底
底なしの沼さ
高く高く
空飛ぶ風船
縄跳びジャンプ
周り回るハチ
どれも凶器(競技)になるんだよー
放課後
キーンコーンカーンコーンと、2回響く耳馴染みのある音。
時間はもう午後の4時半。
カリカリと汚い文字で書き進めた課題を止めて、空を見上げた。夕日が登り、空が橙色に染まる。
食べかけの弁当箱がぐしゃぐしゃになっていて、苦虫を噛み潰したような顔で密かに笑った。
仕方ない。この世はそれで全て片付く。