タイトル「大切なもの」
皆さん、誰しも何か一つは大切なものがあるでしょう。
僕の中で唯一大切なものは「愛情」です。
何故かと言うと、これは昔の話になります。
僕は学生の頃、家族・親からの愛情がほぼ無縁な状態だと、
勘違いしていました。
両親共々、共働きで家事は全般やって来ました。
それを、当たり前かのように受け入れる家族。
料理を作っても、洗濯物をやっても、お風呂掃除をしても、
「ありがとう」の言葉が聞こえてきませんでした。
そんな僕も学生期間が終わり、就職の為家を出ることに。
僕は、やっと家族から離れられた。そう思っていました。
入社式が終わり、飲食店に就職だった為宿泊研修があり、
全てが終わった時に、自店舗の店長と合流し、
お店に行く流れでした。その流れも終わり、
自分の家(寮)に帰ると誰も居らず、寂しさを覚えました。
無言ではあったが、家族の騒がしさ・疎ましさを思い出し、
ほんの少しだけ泣きました。
そんな中、仕事の日々が続きやっと連休に入ったので、
久しぶりに実家に帰ってみることにしました。
「ただいま」
と、発した声に
「おかえり」
と、返ってきました。
あぁ、これが家族なのかな…そうしみじみ思いながら、
家に入っていきました。
家族からは、体調の心配・仕事の話等夜ご飯を食べながら、
会話をしました。
酔った父から発せられた言葉を未だに覚えています。
「お前にはこれまでキツく当たって来てしまったのは、
今でも後悔している。それでも、ここまで強く育ってくれて
ありがとう。お前からしたら愛されてないって思ってた
かもしれないけど、言葉にはしなかっただけで、
ちゃんと愛情は注いでたつもりだった。
それが間違いだったのかもしれない。」
そう泣きながら話す父。
それに対して僕は、その言葉を受け止めて泣いてしまった。
それから父とは色んな話をした。
僕は、愛情の汲み取り方を間違えていたのかもしれない。
そんな僕には今、ちゃんと大切な人がいる。
まだまだ人間として未熟な上、
社会人として約束事を破ってしまう子供な僕。
正していかなければと思いながら奮闘している中で、
支えてくれて、愛情まで注いでくれる彼。
僕は、この人に「愛情」を注ぎたい。
そう思いながら「大切なもの」を、
これからも築いて行きたい。
タイトル「エイプリルフール」
エイプリルフールと言えば、午前中だけ嘘をついてもいい。
でも、人を傷つける嘘はダメだと思う。
とある人から聞いた話。
「今日結婚するんだよね」
と、突然の報告。
慌てて僕は結婚祝いのプレゼントを一緒に買いに行こうと
提案してショッピングに行った。
彼は、ニコニコしながら慌てる僕の後ろを歩いていた。
僕は色んな提案をした。
奥さんが喜ぶ物、彼が喜ぶ物、二人で今後使える物等。
買い揃えて彼と別れたあと、LINEに通知が来た。
「今日はありがとう。でも、今日エイプリルフールだよ?笑
騙されたね笑ご愁傷さま笑」
と、文章が書かれていた。
騙された。十何万とプレゼントしたものは嘘にまみれた
エイプリルフールという名の詐欺にあったのだと。
その後、彼とは縁を切った後に回って来たものなのだが、
「エイプリルフールで元友達が騙されて買ってきたもので、
いらないので出品します」と、僕が買ったものが、
フリマアプリに出品されていた。
騙された僕の方が悪いが、エイプリルフールだからと言って
人を傷つける嘘をつく人は最低だと思う。
タイトル「幸せに」
あの人と出会ったのはSNSで、
最初は、この人口悪いし態度でかいし合わないなー、って
思ってた。でも、なんだかんだ話していくうちに
好きになっていく自分がいた。
ふと思ったのが、たわいもない会話の中で、
この人の声を毎日聞きたいって思ってしまって、
とある提案をした。
「朝起こしてほしい、そのまま仕事中支障がない限り
電話繋げててほしいな」
と、言ってしまった。拒絶されるだろうなって思いながら、
言った言葉に「いいよ」と、返事が来た。
その言葉に歓喜を覚えた僕は、次の日から毎日電話をした。
2ヶ月が過ぎた頃、突然連絡が取れなくなった。
SNSを使っても返信もなく不安感に苛まれた。
半年後、突然向こうから連絡が来て、
嬉しかった僕は、相手からの突然の報告に
唖然としてしまった。
「婚約者ができた。今義実家で同棲してる。
だから、SNSもLINEも消すね。バイバイ。」
その言葉に悲しさと裏切られたという気持ちで
いっぱいになってしまった。
相手に婚約者ができた、じゃあ、僕は?って気持ちと
そっか、幸せになる道を見つけたんだね。って気持ちで
ごちゃごちゃだった。
数日経ち、気持ちが落ち着いた頃に、届かないメッセージを
送った。
「僕ではあなたを幸せにできない。なんなら、
あなたにとっては、僕は黒歴史かもしれない。
だから、婚約者さんとお幸せにね。」
と、送った。
本当に僕には出来ない遠距離かつSNSでの出会い。
相手の事を大好きな気持ちを抑え、
ただ、「幸せに」と思いながら日々を過ごしている。
#暗がりの中で
暗いところって誰しも好き嫌いがあると思う。
俺は好きな方。
理由はわからないけど何故か落ち着く。
でも俺の兄は暗いところが苦手な人で、
一緒に寝る時は必ず部屋の電気をつけられた。
正直寝ずらい。
布団を被って寝るしかないと諦めながら一緒に寝る。
何度か兄に暗がりで寝れるように色んなことを試したが、
全部だめだった。
そんなある日
母親に夜ご飯の食材で足らないものがあるから
兄と一緒に買いに行ってきて欲しいと言われ外に出た。
懐中電灯を手にぶらさげ歩く兄。
反対に俺は空を見上げながら歩く。
その日は昼間も快晴だったのか雲ひとつなく、
星が綺麗だった。
「ねぇ、兄貴。たまには空見てみなよ。星、綺麗だよ。」
兄は知らねぇよと言いながら空を見上げた。
「まぁまぁだな」
#紅茶の香り
紅茶の香りは苦手だ。
高校卒業後就職してすぐ家を出た。
会社が準備してくれた寮ではあったものの、会社の目はなく
自由に友達を呼んで毎週末は誰かしらが家にいた。
その頃はまだ若かったこともあり、夜遊びが酷かった。
その時たまたま飲食店で出会ったとある方(以後sと称します)
と仲良くなり、出かけたりsの家に招かれたり逆に、
自分の家に招くこともあった。
だが、男女の友情は成り立たないものだ。
お互いの家に上がる度営みはあった。
営みの後は必ずといってsが淹れてくれる紅茶があり、
当時はその香りが好きだった。
甘く心地の良い香り。
味は苦手だったが、一緒に飲む時間も好きだった。
その時の自分は何を思ったのか、sとの関係を壊したくない、
けど、先に進みたい。そう思った。
そう思った次の日が、自分の背中を押すかのように七夕の日。
その日はsの家に招かれていて営みもしてゆっくりしていた頃
「sが好き」
そう、ぼそっと呟いた。
最初は聞こえていなかったのか返事はなくsは部屋を出た。
部屋に取り残された自分の心臓の音だけがうるさく響いた。
数十分後
「ごめん、付き合えない」
ソファーに座る自分の横に座り、沈黙の中sが呟いた。
断りを言われ、自分は強がったのか
「え、なんのこと?」
と引きつった笑みで言ってしまった。
sに今日はもう帰ろうと言われ沈黙の車内でその日は帰宅した。
数日後
先輩に突然相談をされた。sが浮気しているかもしれない。
その相談に衝撃を受け、名前をもう一度確認した。
まさに、先日自分が告白したsだった。
そう。自分は先輩の恋人に手を出したのだ。
すごく罪悪感に苛まれ、理由をつけその場を離れた。
感情はぐちゃぐちゃ。
夜だったのが救いかの様に泣きながら帰宅した。
ふとキッチンに目を向けると、
sが家に置いていった紅茶が目に入った。
先日の告白を断られたのは、先輩と付き合っているから。
自分はただの遊びだったのだ。
そう思ったら自暴自棄になった。
sに対し先輩との事実確認となぜ遊び感覚で自分を弄んだのか。
それを聞きたかったがために店に向かった。
カランカラン
店の扉を開き、他のお客さんがいる中sを呼び出した。
店の店長さんと仲良かったこともありsとの時間を頂いた。
「○○さん(先輩)知ってますか?」
自分が呟くとsは焦る様子もなく知ってるよと答えた。
悪びれのないsの態度に腹が立ち怒鳴るように問い詰めた。
遊び相手に自分を選んだ理由、
遊びなのに自分に愛を囁いた理由、
先輩との関係はいつからなのか、
様々なことを問い詰めた。
sの態度は変わることなく淡々と答えるのかと思いきや、
開き直りと高笑いしながら返事をした。
「そうだなー、○○とは2年くらい付き合ってるかなー。
でもさ、全然相性良くないんだよねー笑
でも、○○知ってるならわかると思うんだけど顔は可愛いんだよねー笑男なら誰しも可愛い女傍に置いときたいじゃん?
あー、あとなんだっけ?好きとか愛してるって言った理由だっけ?そんなの簡単じゃん笑そう言っとけば女なんてちょろいからに決まってんじゃん笑」
そう笑いながら先輩を貶すかのように顔顔と言いながら自分を罵ってきた。
「あ、そうですか。○○さんがsさんに浮気されてるかもとご相談を受けたので今回こうやって聞かせて頂きましたが、そのような態度なのですね。分かりました。どれだけ自分が馬鹿だったのか理解出来ましたし、○○さんに対しても自分に対してもすごく失礼な人間なんだなと確認できましたのでsさんと縁を切らせてもらいます。さよなら」
人間冷静になってしまえばどんな対応でもできるのだと我ながら思った。
sは、自分が泣きつくと思っていたのか、冷静な態度で返事をした自分に対し呆気にとられあほ面していた。
それを尻目に自分はその場から立ち去った。
後日
自分は、sの浮気を相談してきた先輩に事の発端を全て説明した上で先輩に嫌われる覚悟で謝罪をした。
先輩は、
「そーゆーことね。お互い何も知らなかったとはいえやってしまったものはしょうがないし、sが人間としてクズなのは分かったからもう咎めないし、○○(自分)とはこれからも一緒に
仲良くしたいから仲直りしよ。」
そう優しく言われ泣きながら先輩と和解した。
後々聞いた話、先輩の家にも同じ紅茶を置いていたらしく、
sと別れてすぐその紅茶を捨てたそうだ。
同じく、自分もその紅茶をすぐに捨て、
sが持ち込んだ茶器も売った。