作品

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10/28/2024, 11:10:09 AM

#暗がりの中で

暗いところって誰しも好き嫌いがあると思う。
俺は好きな方。
理由はわからないけど何故か落ち着く。
でも俺の兄は暗いところが苦手な人で、
一緒に寝る時は必ず部屋の電気をつけられた。
正直寝ずらい。
布団を被って寝るしかないと諦めながら一緒に寝る。
何度か兄に暗がりで寝れるように色んなことを試したが、
全部だめだった。

そんなある日
母親に夜ご飯の食材で足らないものがあるから
兄と一緒に買いに行ってきて欲しいと言われ外に出た。

懐中電灯を手にぶらさげ歩く兄。
反対に俺は空を見上げながら歩く。
その日は昼間も快晴だったのか雲ひとつなく、
星が綺麗だった。

「ねぇ、兄貴。たまには空見てみなよ。星、綺麗だよ。」

兄は知らねぇよと言いながら空を見上げた。
「まぁまぁだな」

10/27/2024, 2:43:43 PM

#紅茶の香り

紅茶の香りは苦手だ。

高校卒業後就職してすぐ家を出た。
会社が準備してくれた寮ではあったものの、会社の目はなく
自由に友達を呼んで毎週末は誰かしらが家にいた。
その頃はまだ若かったこともあり、夜遊びが酷かった。
その時たまたま飲食店で出会ったとある方(以後sと称します)
と仲良くなり、出かけたりsの家に招かれたり逆に、
自分の家に招くこともあった。
だが、男女の友情は成り立たないものだ。
お互いの家に上がる度営みはあった。
営みの後は必ずといってsが淹れてくれる紅茶があり、
当時はその香りが好きだった。
甘く心地の良い香り。
味は苦手だったが、一緒に飲む時間も好きだった。
その時の自分は何を思ったのか、sとの関係を壊したくない、
けど、先に進みたい。そう思った。
そう思った次の日が、自分の背中を押すかのように七夕の日。
その日はsの家に招かれていて営みもしてゆっくりしていた頃

「sが好き」

そう、ぼそっと呟いた。
最初は聞こえていなかったのか返事はなくsは部屋を出た。
部屋に取り残された自分の心臓の音だけがうるさく響いた。
数十分後
「ごめん、付き合えない」
ソファーに座る自分の横に座り、沈黙の中sが呟いた。
断りを言われ、自分は強がったのか
「え、なんのこと?」
と引きつった笑みで言ってしまった。
sに今日はもう帰ろうと言われ沈黙の車内でその日は帰宅した。

数日後
先輩に突然相談をされた。sが浮気しているかもしれない。
その相談に衝撃を受け、名前をもう一度確認した。
まさに、先日自分が告白したsだった。
そう。自分は先輩の恋人に手を出したのだ。
すごく罪悪感に苛まれ、理由をつけその場を離れた。
感情はぐちゃぐちゃ。
夜だったのが救いかの様に泣きながら帰宅した。
ふとキッチンに目を向けると、
sが家に置いていった紅茶が目に入った。
先日の告白を断られたのは、先輩と付き合っているから。
自分はただの遊びだったのだ。
そう思ったら自暴自棄になった。
sに対し先輩との事実確認となぜ遊び感覚で自分を弄んだのか。
それを聞きたかったがために店に向かった。

カランカラン
店の扉を開き、他のお客さんがいる中sを呼び出した。
店の店長さんと仲良かったこともありsとの時間を頂いた。

「○○さん(先輩)知ってますか?」
自分が呟くとsは焦る様子もなく知ってるよと答えた。
悪びれのないsの態度に腹が立ち怒鳴るように問い詰めた。
遊び相手に自分を選んだ理由、
遊びなのに自分に愛を囁いた理由、
先輩との関係はいつからなのか、
様々なことを問い詰めた。
sの態度は変わることなく淡々と答えるのかと思いきや、
開き直りと高笑いしながら返事をした。
「そうだなー、○○とは2年くらい付き合ってるかなー。
でもさ、全然相性良くないんだよねー笑
でも、○○知ってるならわかると思うんだけど顔は可愛いんだよねー笑男なら誰しも可愛い女傍に置いときたいじゃん?
あー、あとなんだっけ?好きとか愛してるって言った理由だっけ?そんなの簡単じゃん笑そう言っとけば女なんてちょろいからに決まってんじゃん笑」
そう笑いながら先輩を貶すかのように顔顔と言いながら自分を罵ってきた。
「あ、そうですか。○○さんがsさんに浮気されてるかもとご相談を受けたので今回こうやって聞かせて頂きましたが、そのような態度なのですね。分かりました。どれだけ自分が馬鹿だったのか理解出来ましたし、○○さんに対しても自分に対してもすごく失礼な人間なんだなと確認できましたのでsさんと縁を切らせてもらいます。さよなら」
人間冷静になってしまえばどんな対応でもできるのだと我ながら思った。
sは、自分が泣きつくと思っていたのか、冷静な態度で返事をした自分に対し呆気にとられあほ面していた。
それを尻目に自分はその場から立ち去った。

後日
自分は、sの浮気を相談してきた先輩に事の発端を全て説明した上で先輩に嫌われる覚悟で謝罪をした。
先輩は、
「そーゆーことね。お互い何も知らなかったとはいえやってしまったものはしょうがないし、sが人間としてクズなのは分かったからもう咎めないし、○○(自分)とはこれからも一緒に
仲良くしたいから仲直りしよ。」
そう優しく言われ泣きながら先輩と和解した。
後々聞いた話、先輩の家にも同じ紅茶を置いていたらしく、
sと別れてすぐその紅茶を捨てたそうだ。
同じく、自分もその紅茶をすぐに捨て、
sが持ち込んだ茶器も売った。

10/25/2024, 4:49:56 PM

この話は、今自分の中で1番仲良くしてくれてる友達の話。
その友達と出会ったのは約2年と少し前の話。

初めて自分の障害と似た障害を持った方たちが集まる施設に行った。最初は人見知りしたし、障害を持った人たちに対して自分の中で偏見があったから仲良くするのにすごく時間がかかった。月に1回午前だけの別室通所から始まり、少しずつ時間を伸ばしての通所で慣れて来た時に、職員から言われてお昼ご飯を作ることに。恐る恐る調理室に入り、初めて職員以外の利用者と接触していつもより人見知り激しめに調理作業を手伝っていた。そこに来たとある利用者の方に言われた一言。
「何をそこまでビクビクしてるかわからないけど、
ここの人は誰も悪い人はいないよ。
逆にそこまで警戒心強めな人初めてだわ。」
そう言われて、自分がどれだけ怖い顔で作業してたか改めてわかったけど、警戒心は解けなかった。その時までは。
次の通所の日。施設に着いて入ると、この前少し強めの言葉を言った利用者と会って、その利用者はたった一言笑顔で
「おはよう」
自分はその人に少し警戒心を解いた。
理由はわからない。でもなんとなく、この人は悪い人じゃないって心の中で思えたからかそこから施設の他の人達と仲良くなるのは早かった。
たった一言二言で態度を変えてしまう自分に今では少し馬鹿らしく感じるが、前提と偏見があっての警戒心であったため仕方ないと思いたい。
職員とも利用者とも仲良くできて、通所頻度も増えて施設になれてきた頃に現れたその人は自分の好きな職員を独り占めするかのように、自分の初期同様別室通所から開始した。
その人こそ今自分と仲良くしてくれてる友達である。
以後hさんと表記する。
hさんは自分より少し背が低く淡い色が似合うすごく可愛い女性で、自分にはない可愛らしさやおしとやかさがある。
だが、hさんは男性恐怖症があり自分より障害が重めの方でどう接したらいいかわからないと職員から相談を受け、
なら、自分が施設通所開始当時にとある利用者から言われた一言のようなきっかけを作ろうと思ってhさんと関わり始めた。
最初は、何気ない会話から始まりhさんの推しの話だったり色んな話をした。
hさんが周りと少しずつ馴染み始めて自分が居なくても大丈夫なくらいになった頃、自分が施設の退所時期が近づいてきた。
自分が通っていた施設は2年の契約期間があり、通所開始から1年半が経った。
自分が就職活動で焦ってバタバタしていた時もhさんはゆっくりがんばれ!って応援してくれた。
そのたった一言が嬉しくて頑張れた。
いざ、就職が決まり退所の日。
自分はhさんとのお別れが寂しく、職員に確認を取り手紙を書くことにした。本来は施設の規則上連絡先の交換が禁止されていたため、手紙の内容は職員確認済みとなってしまったが手紙を渡せてお別れをした。

退所して2ヶ月後
たまたま1人で買い物してた出先でhさんと遭遇。
奇跡すぎる再会に興奮した勢いで連絡先を交換してその日は解散。よくよく、hさんに確認してみたらhさんも施設を退所してた為施設の規則は関係ないことに気づき、また遊ぶ約束をした。

それから半年経った今
自分もhさんも退所後の就職先の愚痴や悩みを話しながら、最近ではお互い貯金して来年には一緒に旅行に行こうねと話している。